経営者の勉強会です。

大阪・堂島で日本の明日と実業人を考える「道 塾」のご案内   最近の報告例

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 古典を軸に混沌から秩序への道をさぐり、経営者のあるべき姿の探究しつつ、

次世代を担う経営・経済などの叡知の涵養をめざして、関西の経済人が自発的に続けている勉強会です。

 塾長には、世界の動向や古今東西の古典にもくわしい手島佑郎博士をお願いしています。

 

●塾 長: 手島佑郎(ヘブライ学博士、ギルボア研究所代表)

●代表幹事: 二宮祥晃(前・株式会社ニノミヤ 代表取締役)

●開催日時: 原則として毎月第2月曜日午後6時〜8時 

●会場: 大阪市北区堂島1-5-17、堂島グランドビル、4F、第1会議室

         (四ツ橋筋、サントリー本社前のみずほ銀行が入っているビル)

●事務局: 〒658-0051神戸市東灘区住吉本町1-13-22-301 (株)インテグレード内

      事務局長:永松道晴   電話・ファックス 078 600 3704

      e-mail:      integrade@m5.gyao.ne.jp

   (お手数ですが、メールで送信のさいは平仮名の「と」を外して正しいアドレスに直して下さい)

 

● これまで講読したテキスト: 

 1996年9月-- 道元禅師『正法眼蔵随聞記』を講読。

 1997年3月--『西郷南洲遺訓』を講読。 

 1998年1月-- M・ウェーバー『職業としての政治』を講読。 

 1998年8月--『学問のすすめ』を講読。 

 1999年4月-- 『般若心経・金剛般若経』を講読。

 1999年9月--『ユダヤ人はなぜ優秀か』を講読。

 2000年6月-- トーマス・ペイン著『コモン・センス』を講読し、米国の背景を研究。

 2000年12月-- 新渡戸稲造著『武士道』を講読。 

 2001年10月-- 『フランクリン自伝』を講読。

 2002年2月-- 『岩崎小弥太』を講読。    

 2002年6月-- 『大学』を講読。

 2002年9月-- 『君主論』を講読。      

 2003年5月--『歎異抄』を講読。

 2003年9月-- タルムードのラビたちの語録『アボット』を講読。

 2004年9月-- 『ユトピア』を講読。

 2005年4月-- 中国近代思想家・譚嗣同『仁学』を講読。

 2005年10月-- 宮本武蔵著『五輪書』を講読。

 2006年10月--禅の公案集『無門関』を講読。

 2007年9月-- ジェファーソン著『ヴァジニア覚え書』を講読。

  2007年11月--セオドア・レビット著『マーケティングの革新』を講読。

  2008年11月--『大原聡一郎』を講読。

  2009年2月-- 『幕末維新の経済人』の講読開始。

  

● これまでのゲストスピーカー 

(2001/5/14)「北新地あれこれ50年」   松井和雄氏(北新地社交料飲協会専務理事)

(2001/10/09)「イスラム世界から見た最近の国際事情」 臼杵陽氏(国立民族博物館助教授)

(2001/11/12)「タルムード学校イェシヴァでの経験」 佐々木嗣也氏(大阪外国語大学講師)

(2003/01/14)「香港と中国の現状と展望」 鈴木英一氏(在香港、HFC Co.,Ltd.副社長)

(2003/02/10)「日本人と外国語」 佐々木嗣也氏(大阪外国語大学講師)

(2003/7/7)「1中国人から見た日本人」  王玉妃氏(テクノネット社長室長)

(2002/10/06)「日本経済の直面している内的問題」 前原金一氏(住友生命総合研究所・会長)

(2004/3/8)「プーチンとオリガルヒ(新輿財閥)」  鈴木博信氏(桃山学院大学教授)

(2004/05/10)「日本式コミュニケーション v. ユダヤ式コミュニケーション」

              佐々木嗣也博士(大阪外国語大学非常勤講師)

(2004/07/12)「工業デザインから見た街づくりの考え方」山口眞理氏(大阪女子学園短期大学講師)

(2004/11/08)「イスラエルのユダヤ人から見た日本人」

          ニッシム・オットマズギン氏(京都大学博士課程在学イスラエル人)

(2005/05/09)「発明の心、発明の切り口」野田秀夫氏(関西化学機械製作・社長)

(2005/08/08)「ヘブライ語学をイスラエルで教えて − 知的生産性を育むもの・阻むもの」

             佐々木嗣也氏(イスラエル・バルイラン大学ユダヤ学部講師)

(2005/11/14)「牧師という職業のなかで考えること」持田克己氏(日本基督教会北田辺教会牧師

(2006/01/10)「日本で初ダチョウ養鳥に成功するまで」比村直光氏(ダチョウ牧場主)

(2006/02/13)「タクラマカンで考えたこと:研究・技開発のファンダメンタルズ」

               片岡健先生(大阪府立大学工学部名誉教授)

(2006/04/10)「ユダヤ人禅僧を、大阪で托鉢をする」峰本卓潤和尚(曹洞宗禅岳寺住職) 

(2007/5/14)「カーボンの効用、 その孔の機能」 阪田祐作先生(岡山大学工学部名誉教授) 

(2007/8/06)「東・東南アジアにおける日本の文化産業 」

        ニッシム・オットマズギン (Nissim Otmazgin, Ph.D.)

                 学術博士、京都大学東南アジア研究所研究員

(2008/3/10)「 世界から見た日本人の政治行動とその心理 」

          オフェル・フェルドマン博士 (同志社大学政策学部教授)

 


第100回大阪道塾報告(2004/12/06)

本日は道塾が始まって100回目にあたり、ニシム・オトマズキン氏をゲストとしてお迎えして「イスラエルのユダヤ人から見た日本人」と題してお話を伺った。 

ユダヤ人というと我々はふだんヨーロッパ出身の白人のユダヤ人を思い浮かべるが、彼はモロッコ出身のアラブ系ユダヤ人だ。このような出自のユダヤ人に会うのは塾生一同始めてである。彼が日本を知ったキッカケは小学校時代にアメリカ製の日本ドラマを見て侍の行動様式に興味を抱いて以来で、12才で本物の日本人に会って一日共に過ごした時に、侍の印象と違って、今度は非常にやさしい印象を受けた。それ以来いつかは日本に行きたいと思うようになって、現在京大の博士課程で勉強しておられる。日本人に外見的のみならず内面的にも非常にエキゾティックな興味を抱いたようだ。

彼と過ごしたのは道塾の2時間とその後の望年会の短い時間であったが、逆に我々は彼の中に2000年有余を離散の中に過ごしつつユダヤ人としてのアイデンティティを保持する一方、東洋、なかんずく、日本に新しい何かを見出したいという強い意欲を感じた。それは建国以来50年に亘ってパレスチナ紛争に巻き込まれながら国つくりにいそしむイスラエルの人々とって、日本と日本人から学べるものを吸収しようとする気持ちに支えられているのだろうと思う。

さて、それに応じて我々は彼に何か教えたり伝えたりすることを持っているだろうか。これは我々一同の反省であるが、日本文化に対する理解も中途半端で、言語も含めて国際的素養にうといことを痛感させられる。IBMがコンピューター部門を中国企業に売却するなど、ますますグローバル化が進む中で、企業経営の立場からも一層幅広く深い思考が必要であり、道塾での東西にまたがる古典の勉強の大切さを改めて感じさせられた。

来年彼が博士号を取得された頃に再度お招きして、日本滞在の成果を聞きたいと共に、帰国されても何らかの形でコンタクトを保ってお互いに研鑽を重ねる機会があればと思った次第である。

                              (永松)

大阪道塾第100回に参加したメンバー

 

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古典を軸に混沌から秩序への道をさぐり、

経営者のあるべき姿の探究しつつ、次世代を担う叡知の涵養をめざす

     大阪・道塾(みちじゅく)のご案内

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 学ぶということは、他人の知識やノウハウをそっくり取得することではありません。学ぶということは、物事に対するインスタントな解釈や画一的視点をてっとり早く借りてくることでもはありません。

 各自が、日常の生活や事象に対してみずから疑問をもち、みずから考え、みずから疑問をふかめ、やがては独自の視座を養う。それが、学ぶということの本来の在り方です。

 もし、道塾の講義や塾員相互の発言から、経営への手軽なハウツウを望まれるならば、期待外れに終わるでしょう。しかし、みずから先達の語録や言説にふれ、その文章を読んで真意をさぐり、みずから考える習慣をつけていくならば、かならず学問が身につき、知恵をふかめていくことが出来るのです。

 かつて江戸時代の1724年、大阪では商人みずからの運営で「懐徳堂」が設立され、明治はじめの1869年まで大阪商人の学問所として重要な役割をはたしました。また京都では、1729年、商人出身の石田梅岩が商人のための学問として心学を提唱し、そのための講席を京都に設けました。すなわち「明倫舎」です。明倫舎の弟子は、のちに日本全国にひろがり、各地に明倫舎の支部ができます。江戸の支部は1778年、参前舎という形で、江戸商人の手による江戸商人のための学問所となります。商人のこうした活発な学問探究の姿勢に刺激されたのでしょう、江戸幕府は、幕府直轄の昌平黌を1797年に学問所とあらためたほどです。

 だが、上から与えられる教育と、みずから望んで求める学問とでは、その活力がことなります。たとえば、日本の近代化を可能にしたのは、周知の通り江戸幕府ではありません。それは、大阪、京都、江戸をはじめとする全国各地の商人、町人層の力によって可能になりました。かれらが新しい時代の到来への経済的準備をし、かれらの支えが明治維新の志士たちの活躍も可能にしました。経済人の広い視野と合理的思考があったればこそ、日本の近代化への移行はスムーズに運んだのです。

 いま21世紀をまえにして、わたくしたちは道塾の場をとおして、もういちど先人たちの思想・言動にふれ、新世紀への展望とヴィジョンを明確に描きたいと思います。

1996年9月から曹洞宗開祖・道元の語録『正法眼蔵随聞記』の講読を主に、従としてデービッド・シュワルツ著『大きく考えることの魔術』を読み始めました。1997年3月から『西郷南洲遺訓』の講読。98年1月からはマックス・ウェーバーの『職業としての政治』を半年間かけて講読。98年8月から、福沢諭吉の『学問のすすめ』から皆といっしょに学びました。それを通して、日本がいまだに文明開化の途中でしかないことを知りました。99年4月から『般若心経・金剛般若経』を読みました。99年9月から『ユダヤ人はなぜ優秀か』をテキストにユダヤ人の思想と考え方を学んでいます。2000年6月から米国独立のバックボーンとなった『コモン・センス](トーマス・ペイン著)を読み、2000年12月から新渡戸稲造の『武士道』を学び、2001年8月からまた『正法眼蔵随聞記』を読み、2001年10月から『フランクリン自伝』を、2002年2月から『岩崎小弥太』を、2002年5月から『大学』を読み、9月から『君主論』を、2003年5月から『歎異抄』を講読しました。9月からは現在のところは、タルムードのラビたちの語録『アボット』を講読中です。

 

 古典に鍛えられて古典のなかから未来への指針を各自が探り出す。そういう道塾をめざしたく存じます。あせらず、じっくりと各自が視点を確かにし、たしかな視座を築き、真実を見抜く視野を広げたく存じます。第6年目に入り、皆様にも道塾へのご入会をご案内し、ここにご挨拶を申し上げる次第です。 

         さいごに、皆様のご健康をお祈り申し上げ、ご挨拶とします。      敬具

                      道塾 塾長   手島 佑郎 拝

 


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