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[ キリスト教からのユダヤ教への疑問 ]

From: M.T.

Date. 2010/12/9

いくつか聴いてみたいことがあります。

(1) イエスは”聖書は自分について証するもの”(ヨハネ5/39)と言っておりますが、ユダヤ教の方では何と言っているでしょうか。また新約聖書をどう評価しているのでしょうか。

(2) 私は新約聖書を中心に学んでおりますが、最も重要な最後の晩餐から十字架、復活までの記述が四つの福音書でみな違うことを言っています。特にヨハネは全く違う。そこで伺いたいのは、一体ミシュナではサンへドリンの大法廷を過ぎ越しの祭りの期間に大祭司カヤパの邸宅で深夜開廷し、その日の内に死刑判決を下し翌日執行するなどということが許されていたのでしょうか。当時のミシュナの規定が分かれば教えて下さい。またユダヤ法による不敬罪としての死罪は石打ちの刑であるのに、なぜピラトのもとに引き出しローマ法による十字架刑にかけさせたのでしょうか.

 

質問(1)に関しての回答: Date. 2010/12/

 ユダヤ教(正統派)では、タルムードなどイエスに関する直接的記述はに一切ありません。

強いていえば、ユダヤ教の伝統的典礼書でいう「異端」というのは、キリスト教を指しています。

ユダヤ人にしてみれば、キリスト教という宗教があることと、創始者がユダヤ人イエスであったということが事実であるとしても、それはユダヤ宗教とは無関係な、別の事実です。共産主義を元ユダヤ人マルクスが考えだしたようなことです。マルクスはキリスト教に改宗後、共産主義を考えだしたのですが.... 

現代のユダヤ人の中には、ブーバーやベルグソンのようにリベラルな人はイエスに言及しますが、それでも、せいぜい1宗教家としてのイエスです。彼らの考えでは、「メシア」ではありません。

 

イエスの発言が権威をもつのは、あくまでもキリスト教徒だけの上でのことです。

かれのは発言は、ユダヤ教徒にもイスラム教徒にも、仏教徒にも、参考意見にはなっても、権威ある発言ではないのです。

 

質問(2)に関しての回答:

 ミシュナの規定では、死刑の可能性がある裁判は、いかなる犯罪であれ、すべて昼間の審理のみであり、しかも即日即決裁判はできません。

よって、仮にイエスが大祭司一族によって捕えられたとしていても、ユダヤ法での死刑に該当する犯罪証拠はなかったということです。

カヤパの邸宅で、夜間に「議会」が招集されたということは、考え難いことです。

 

もしもイエスが両替商の屋台を撤去させたということが事実であるとすれば、半日か1日のごく短い時間、イエスの一党が一種のクーデタに成功し、一時的に神殿域を占拠したということは考えられ得ることです。

祭司たちにしてみれば、イエスの教えよりも、両替商をイエスが追い出したことのほうが我慢ならなかったでしょう。

というのは、神殿への寄付金や献金は、ユダヤ貨幣でなければいけなかったからです。

ローマ貨幣は賽銭箱に入れる事さえ許されていませんでしたから、両替商が必要だったのです。

神殿の自治権はローマが認めていたことであって、イエスが勝手に簒奪できるものではなかったのです。

したがって、その点で、ローマへの反逆が成立します。

察するに、それこそが、イエスの死刑の罪状「ユダヤ人の王」に象徴されていることです。

当時、すでにエルサレムはローマの直轄領でしたから、そのことはイコール、ローマへの反乱とみなされ、

ローマ法によるローマへの反逆罪としての十字架刑が執行されることになたわけです。

十字架刑は、ローマがカルタゴから学んだ処刑方法で、専らローマの支配への反逆者に対して執行されました。

ちなみに、バラバも一種の自称メシアだったのでしょう。バル・アバ(天の父の子)という僭称にそのことが示唆されています。

 


キブツ問答

From: "T K"

Date: Mon, 7 May 2007 12:44:18 +0900

手島様

--------------

農村共同体的なキブツの理想主義はうまくいかなかったと

いうことでしょうね。悪平等というのが、働くものに

不平等感をもたらすのでしょう。それでも、キブツが

成り立ったとのは、アラブとの緊張関係なのでしょうが、

逆にそれが徐々に薄れてきているのでは。即ち、

イスラエルの存在が動かし難いものになってきたからでは。

--------------

 

さて、これは結構、印象的なニュースなのですが、

人間というのは自主性を重んじて

理想主義的には動かすのは難しいという

ことを示してますね。

これがまた修道院のように、厳然たる秩序のしたなら

別なのでしょうが。

T.K.@

 

<小学館百科事典>

キブツ kibbutz

イスラエルにおける農業共同体の一形態。全財産の集団所有、徹底した共同生活、子供の共同育成などを特色としている。1909年、東欧から移住してきたユダヤ人によって最初のキブツが誕生し、シオニズム運動とマルクス主義と青年運動との結合として展開されたキブツ運動によって発展した。1981年現在、その数は259、人口は11万3700人で、イスラエル全人口の2.9%となっている。一つのキブツの構成員は60人から2000人程度までで、一定していない。

 土地は国有、経済活動は性に基づく分業が行われており、男は農業部門(生産部門)で、女はサービス部門(非生産部門)で主として働く。労働は、「労働に対する良心」によって支えられ、「各人はその能力に応じて、各人にはその必要に応じて」という共産主義の原理が文字どおり実行されている。総会が最高の決議機関であり、立法、行政、司法の権限を兼ね備えている。役職は構成員による持ち回り方式がとられ、特定の個人に権威が集中するのを避ける。構成員は共同の住居に住み、共同の食堂で食べ、すべて共同生活を送る。子供は生後一貫して両親とは別に育てられ、乳児院、幼児の家、保育所、幼稚園、小学校、高等学校で集団主義的な育成が行われる。したがって、キブツの家族には、共同の住居という特徴はなく、経済的機能も教育的機能もないところから、いわゆる「核家族」はキブツには存在しないとされ、家族研究上、論議をよんできた。しかし、子供のパーソナリティー形成の面では、概して理想的な教育が行われていることが調査研究で明らかにされており注目される。

 キブツはユートピア思想にもつながった一つの実験でもあるうえに、ユダヤ民族の歴史的経験に基づいて、既存の社会構造に対する否定態としての意味をもっている。これで政界の要人を多く輩出し、イスラエル国家に対して貢献してきた点では評価される面もあるが、他方で、近年のアラブ民族との抗争のなかで、国境近くの辺境の地において、その先兵としての役割を果たしてきた点では、その評価は困難である。〈渡辺益男〉

【本】H・ダーリン・ドラブキン著、草刈善造訳『もう一つの社会キブツ』(1967・大成出版社)

===============

Date: Mon, 07 May 2007 21:58:42 +0900

T.K.さま

 

> > 農村共同体的なキブツの理想主義はうまくいかなかったと

 

小生は1963年の4月から9月まで半年間、イスラエルのあるキブツで

過ごしました。日本人としては最初のキブツ体験者のひとりです。

エルサレムのヘブライ大学時代も休みには、おりおりにキブツに

里帰りしていました。

 

さて、キブツを理想主義的社会と見るのは、外部からの見方であって、

キブツという共同体内部の人々がそう見ていたわけではりません。

発生的には、パレスチナに移住してきた当初のユダヤ人たちには

住む家もなく、職もなかったのです。そこで自活のために、

アラブ人住民も住まない沼地など安い土地を購入して、集団で

開拓し、灌漑しながら農場生活を営んだのです。

農業の経験もノウハウもないから、共同で助け合いながら生活の

手段を切り開いたのです。

キブツが理想的社会ではない証拠に、パレスチナのユダヤ人人口の

5%を越すことさえなかったのです。自発的に共同共産生活に

適応できるのは、どこの国でもせいぜい2%ないし4%の人々なのでしょう。

日本でも、武者小路実篤らの「新しい村」の試みはすぐに崩壊しました。

 

キブツにかぎらす、経済的「悪平等」とか、

個々の成員の能力とその労働成果に対する分配をどうするかは、

成員の自覚如何にかかっていることです。

社会としては、どこの国でも弱者を救済せねばならないわけです。

集団が小さい間は、互助の思想でその不平等をカバーできますが、

集団が大きくなると、どこの社会でも怠惰な者の存在が問題になります。

これまでキブツでは、外でどのような仕事をしていても、その収入を

いったんキブツの会計に収め、小遣い程度を全員に同額支給してきました。

衣食住のうち、食住はキブツが支給し、衣服は労働着のほかに

幾分か被服費が支給され、各自が好みのものを購入できています。

それでも小遣いのやりくりの上手下手で、家族ごとに生活内容の

格差が生じてきたのも事実です。それにともなう嫉妬羨望もあります。

 

現在、キブツがかかえている大きな問題は、

内部の富の配分が平等であることよりも、キブツ生れの第三世代以後の

若い人々がキブツの外へ出て、後継者が激減していることです。

同時に、成員の高齢化も問題なのです。

加えて、多くのキブツがもはや農業ではなく、それ以外の産業に

生活手段を求めていることです。その点でも若い世代の減少が

深刻な影を投げかけています。

 

初期のキブツは、アラブ人の村落と交流や衝突をくりかえしながら

原野で形成されていったので、そこで青年期を過ごした人々は

アラブ人との対話もできていました。だからこそ、建国時代の

イスラエルの指導者の中でキブツ出身者は、対アラブ外交や軍事など

でも和戦両用の戦略を展開できたのだと、小生は見ています。

 

国中が都会化してしまうと、ユートピア的社会への夢は消えるものです。

所得倍増論のころのどこかの国と、1億総中流と自負した国と、

そして格差問題の矛盾に悩む国と、どこか辿ってきた道が似ているようです。

 

むしろ成員が自分達の手で労働成果に応じて配分するというのは、民主主義の

行き着くべきところです。

今回のフランスの大統領選挙結果は、人間のそうした本性を象徴しているかもし

れませんね。

 

       手島佑郎 拝

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Subject: ツァラアット考

Date: Sat, 17 Jul 2004 14:37

From: HK

 

レビ記で、ツァラートと言う言葉が出てきますね。昔は「らい」と訳され、最近の新

共同訳では「重い皮膚病」となっています。

ある方から、聖書には、らいについては、一切書かれていない。聖書の中 に「らい」はない。と、言われました。

先生のツァラートに対するお考えは如何でしょうか。

新約のレプラという訳は、聖書記者の誤訳なのでしょうか。それとも、レプラには、らい以外 の、幅広い意味があったのでしょうか。お手数ですが、お考えをお知らせ下さい。


回答 Subject: ツァラアットについて

Date: Sat, 17 Jul 2004 17:03

 

HKさま

ヘブライ語の「ツァラアット」をどう考えるかというご質問ですが、

これを従来は広く「レプラ」もしくは「癩病」と呼んでいました。そこには幅広い意味での使い方もあったことは事実です。

狭義のレプラを今日ではハンセン氏病と呼ぶようになりました。これは、いわゆる「癩病院」に収容されている患者の病原菌が同定できたからこそ、いまではハンセン氏病と呼称を替えています。

 

お尋ねの件についての私の回答は以下の通りです。

1) 聖書には「らい」については、一切書かれていないのでしょうか。

聖書には「らい」の記述はあります。

イスラエルで出版されている百科事典「エンサイクロペディア・ジュダイカ」は、次のように解説しています。

〜〜 「ヘブライ語で癩病に相当するツァラアットは、ギリシャ語のλεπραと同様に、本物のライ病、つまりハンセン氏病に限定される用語ではなかった。それは、非伝染性のさまざまの皮膚障害を含む病名であった。つまり、ミリアムのレプラは一過性であった(民数記12:10-15)であったし、 ナアマンの病気は自由に社会に出入りできるものであった(列王紀下5)。実際に同胞から隔離されていた真のライ病人はサマリアの町の外で生活を 余儀なくさせられていた4人のライ病人(列王紀下7:3-10)と、 別棟で恒久的に隔離されていたウジヤ王(歴代下26:19-21)とであろう」 〜〜

 

2) 新共同訳では「重い皮膚病」となっていますが、この訳でいいのでしょうか。

ヘブライ語の ツァラアットを、一概に「重い皮膚病」と訳していいいかどうかは小生は疑問に思います。というのは、レビ記13章には衣服の生地の異変をもツァラアットと呼んでいるからです。

 

3)ツァラートに対する、言語からの説明をいただけないでしょうか。

ツァラアット(zara'at)の語根は「zr'a」で、これは「(大地に)捨てた、打ち倒した」というのが原義だと推定されています。転じて、「撃ち傷、(神からの)打撃痕」となったようです。そのためツァラアットを天刑病と称していたこともあります。

 

4)新約のレプラという訳は、聖書記者の誤訳なのでしょうか。

当時は、古代イスラエル、ギリシャ、ローマ社会では、皮膚の白化異変を筆頭に重症の皮膚病の全体をレプラと呼んでいたのでしょう。

ですから、70人訳ギリシャ語の訳者の誤訳でもなければ、

新約聖書のルカ福音書の10人のライ病人の記事も、当時の人々としてはレプラという理解で あったのでしょうから、それを現代的感覚で「レプラではなかった」と言うべきではないでしょう。

 

5)レプラには、らい以外の、幅広い意味があったのでしょうか。

いわゆるハンセン氏病というのは、ノルウェーの医師アルムエール・ハンセンがライ病菌を1871年発見し、74年に発表してからの呼称である。

ライ病の感染が予防でき、治療できるようになったのも、ライ病菌が発見できたからである。それまでは、古来、西洋東洋を問わず、ライ病患者は隔離する以外に、感染拡大防止の手段がなかったわけです。

ということは、厳密な意味でのハンセン氏病患者は、治療方法が確立するまで、世界各地に存在したのであり、古代イスラエルもその例外ではなかったはずです。

 

だからこそ、ツァラアットであれレプラであれ、それを幅広く皮膚の異変をさす病名として用い、 何はともあれ一旦は疑似患者をも社会から隔離し、感染を防止するようにしていたのではないでしょうか。現代ほどには医学知識が科学的でなはかった当時として、患者を隔離することは予防措置としては適切であったのではないでしょうか。

予防という観点では、病気であれ、事故であれ、故障であれ、わずかな異変でもいったん厳重にチェックするに越したことはないのです。

そして、注目すべき点ですが、聖書にはツァラアットから治癒した場合、古代イスラエル社会においては、それを祭司が確認し、社会復帰への道を開くという規定も明記されていたことです。当時の医学知識の基準に照らしてではありますが、どういう症状であれば治癒したと認定すると検査基準を明文化していました。つまり、聖書は、たとえ天刑病と忌み嫌われる病気であっても、治癒の可能性を肯定し、また神の意志によっては治癒も可能であり、未来への希望を失わせなかったのです。

 

ご承知のように、ハンセン氏病に罹ると、皮膚が白化したり、鼻や手足の一部が腐って朽ちたり変形します。そして病菌からは完治しても、変形した身体は元に戻るわけではなく、 患者はそのため一生、社会から精神的屈辱を味あわされるのです。見るも無惨な容姿容貌になってしまうのです。そのため、人々はハンセン氏病から完治した人からさえ目をそむけます。

私事ではありますが、私の父・手島郁郎はその伝道の初め、1950年頃、父を招いてくれたのは、 熊本のライ病病院、恵風園の人々でした。父は毎週ハンセン氏病患者の人々と礼拝集会をし、 彼らと同じ食卓で、同じ食器で食事をしていました。父のお弟子さんたちも、毎週恵風園にでかけていました。

毎年の夏期集会には恵風園の教友の方々が参加し、他の人々と同じ部屋で、同じ食事で寝泊まりしておられました。私もその方々とご一緒しました。

私が小学校の頃のことですが、恵風園の教友の方々は、食事で食べ残した御飯粒を天日で干し、醤油で甘辛く味をつけた干飯を、おりおりに我が家に分けてくださっていました。それが私にとっては貴重なおやつでした。お互いにそれほどに貧しかったのです。

1973年に父が亡くなったとき、父の死を最も悼んでくださったのは、他のだれよりも恵風園の教友の方々でした。

 

私見ですが、ライ病と言おうと、レプラ、ツァラアットと言おうと、その用語は尊重し、古来の用語で訳すべきだと私は思います。

人類の歴史上でひさしく ハンセン氏病患者の「多く」がライ病と呼ばれてきたということなのです。そして、その隔離が長かったがゆえに、患者への偏見が歴史的社会的に増大してきたということなのでしょう。

ことばを摺り替えても偏見が是正されるわけではりません。真正面から偏見を排し、真正面からそれらの病気の人々と痛みをわけあい、だれもが偏見なく社会的交流をしていくことこそ解決ではないでしょうか。用語を言い換えれば、それで差別がなくなるかのように考えることのほうが 空恐ろしいと私は思います。事実を認め、なおかつ差別なく交わることが大切だと私は考えます。

  2004/7/17  手島佑郎 拝

 


Subject: 針の穴

Date: Fri, 6 Aug 2004 17:57

From: YX

 

YXです。暑い毎日が続いておりますが、お元気でお過ごしのことと

存じます。質問させてください。

「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通るほうがまだ易しい」(マルコ

10・25)という聖書箇所がありますね。確か、お父様の「詩編」の本ではなかったか

と思うのですが、この「針の穴」とは、エルサレムに入る門の一つで、狭い門で「針

の穴の門」という門がある。その門のことだという説明を読んだきがするのですが、

いかがでしょうか。。ご存じでしたら、教えて頂けますでしょうか?


回答 From: "gilboa" <gilboa@ma.0038.net>

To: "YX

Sent: Saturday, August 07, 2004 2:14 PM

> エルサレムに入る門の一つで、狭い門で「針の穴の門」という門がある。

わけではありません。

父はベツレヘム教会の門の脇についている人ひとりしか入れない通用口や

エルサレムの城門の狭い木戸口を見て、こういうのを針の穴というのではないかと

思っていたようです。

もし「>エルサレムに入る門の一つで、狭い門で「針の穴の門」という門がある」と

書いているとしたら、それは父の思い込みであって、明らかに錯誤です。

一方、タルムードには当時流布していた諺に「象を針の穴に通す」というのがあります。

不可能に近い物事のたとえです。

イエスの発言は、「象を針の穴に通す」のバリエーションの1つなのでしょう。

        手島佑郎 拝


Subject:  H.と申します。質問よろしいでしょうか

Date: Tue, 10 Feb 2004 01:48:44 +0900

From:  H.X.

 

突然のメールご容赦下さい。

私は京都の大学に通う学生です。

ユダヤ人の歴史についていくつか質問があるのですが、よろしいでしょうか? よろしくお願いいたします。

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Date: Tue, 11 Feb 2004

From:  手島 どうぞ御質問ください。

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Subject: H.と申します。

Date: Wed, 11 Feb 2004 23:01:26 +0900

 

質問なんですが。

1) ハザール人がアシュケナジー系ユダヤ人だと今まで思っていたのですが違うのでしょうか?

2) ロスチャイルド家はスファラディム系ユダヤ人になるのでしょうか?

3) 以前、大学の教授が日本銀行のシンボルマークはユダヤ人の目だと言っていたのです、僕はそれはありえないと考えています。実際はどうなのでしょうか?

4) 毎年一月に開催されるダボス会議の裏でネットワークを張っているのは、ロスチャイルド家とロックフェラー家だと以前国連で働いておられた方から聞いたのですが、どうなのでしょうか?

5) ロスチャイルド家とロックフェラー家は現在は親戚関係にあたるということなのでしょうか?

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回答 Date: Thu, 12 Feb 2004 11:45:23 +0900

 

ご質問への回答は以下の通りです。

あなたは大学生だそうですが、それならば、きちんとした学術書でまず自分で調べる習慣をつけることです。その上で、なお不明であれば、○○で調べたが、××の点が△△の理由でなお不明であると尋ねるのが、まっとうな尋ね方です。

学徒としては、安易にだれかに尋ねようという態度を改めるべきです。

以下の回答を責任をもって記すにあたって、わたしでも2時間を費やしたことをお忘れなく。

それにしても、「日本銀行のシンボルマークはユダヤ人の目だと言っていた」大学教授がいるとは驚きです。きちんと学問をした人間であれば、そのような軽率な発言はしないはずです。

     手島佑郎 拝

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1) ハザール人がアシュケナジー系ユダヤ人だと今まで思っていたのですが違うのでしょうか?

回答:アシュケナジー系、スファラディ系という区別自体は、そもそもユダヤ教会堂における礼拝手順の相違であって、人種的区分ではありません。両者の中間にはイタリア系という礼拝形式もあります。この起源は西暦3〜4世紀以後、ユダヤ教の律法解釈の中心がパレスチナとバビロニアの2ケ所に分かれたことに起因します。それに従って、礼拝手順も微妙に違っていきました。イスラム圏ではバビロニア系伝統、イタリア・東欧・ドイツ圏ではパレスチナ系伝統を重んじたのです。

これに加えて、ユダヤ人が現地の娘たちと結婚することによって、イスラム圏では、アラブ的遺伝形質を受け継ぎ、イタリア・東欧・ドイツ圏ではコーカサス的遺伝形質を受け継ぐようになり、ユダヤ人内部の下部民族的区分であるかのように取り沙汰されるようになったのです。

中世にハザール人が大量にユダヤ教に改宗したという伝説はありますが、その歴史的確証の裏づけはとれていません。

10世紀ごろには、スペインのユダヤ人はバビロニア系の影響を大きく受けいました。スファラディとは、「スペイン」の意味です。アシュケナジーとは「ドイツ」の意味です。のちに、キリスト教スペインによるユダヤ人追放以後、スペインのユダヤ人はエジプト、イラク、イランに移住した者もおれば、イスタンブールやプロバンスに移住した者もいます。またオランダやイギリスに移住した者も少なくありません。そこで再度アシュケナジー系ユダヤ人と合流したりします。

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2) ロスチャイルド家はスファラディム系ユダヤ人になるのでしょうか?

回答:ロスチャイルド家はアシュケナジー系です。

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3) 以前、大学の教授が日本銀行のシンボルマークはユダヤ人の目だと言っていたのです、僕はそれはありえないと考えています。実際はどうなのでしょうか?

回答: 日本銀行のシンボルマークにユダヤ人の目など採用されていません。

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4) 毎年一月に開催されるダボス会議の裏でネットワークを張っているのは、ロスチャイルド家とロックフェラー家だと以前国連で働いておられた方から聞いたのですが、どうなのでしょうか?ロスチャイルド家とロックフェラー家は現在は親戚関係にあたるということなのでしょうか?

回答:ダボス会議には欧州各地の名門経済人が出席します。当然、ロスチャイルド家の代表も参加しています。だが、裏でネットワークを張っている云々は邪推でしょう。

ちなみに、日本にはロックフェラー家もユダヤ人だと信じ込んでいる人が多いようですが、ロクフェラー家は、はじめからユダヤ教徒でもユダヤ人ではありません。キリスト教徒です。両家には直接の親戚関係もありません。

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5) イスラエルの国旗のダビデの星なのですが、この形の起源は何からなのか中学の頃から疑問で、色々自分なりに勉強したのですが今でも分からないままでございます。この星の形の起源を教えて頂きたいです。

回答: ダビデの星とされるカゴメ印は古代メソポタミアでも、初期のキリスト教会でも☆印とならんで装飾や魔よけに広く使われおり、ユダヤだけの独占ではありません。

カゴメ印がダビデ王の紋章であったという歴史的確証もありません。

古代からユダヤ人に共通のシンボルは、7枝の燭台です。

 カゴメ印が「ダビデの星」としてユダヤ人の間で広く使われるようになったのは、主として中世のユダヤの魔術書で未来を占う幸運のシンボルとして使用されるようになってからのことです。

17世紀になると、ウィーン市当局がユダヤ人に差別バッジとして強制的に着用させるようになりました。

シオニズム運動の父セオトール・ヘルツルがシオニズム運動を起したとき、ユダヤ人のシンボルとしてダビデの星の形を採用したのは、「ダビデの星」と呼ばれるこの形はユダヤ教本来の宗教色が薄く、むしろ未来への希望をつなぐシンボルだったからなのです。

 


Subject: YHWHの読み方について

Date: Wed, 24 Dec 2003 21:44:36 +0900

From: Y.I.

はじめまして。図書館で、インターネットを観覧しました、 Y.と申します。質問が

ありますが、旧約の神様の名前ですが、一般的には、エホバと言われて居ますが、実

際には 考古学的には、yhwh.ですが どのような発音 が、一番近いか、教えて

下されば 嬉しく思います。よろしく、お願いします。

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回答 Date: Mon, 05 Jan 2004 09:57:10 +0900

Y.I.様

ヘブライ語聖書では、YHVHという子音文字だけで表記されていますが、

これは考古学的なことではありません。

聖書は3000年以上読み続けられている書物です。考古学的産物であはりません。

通常、キリスト教の聖書では「エホバ」と読み下してきました。

最近、聖書学者や考古学者がこれを「ヤハウェ」と読むことを提案しています。

ユダヤ人は、通常この文字を発音しません。そのかわりに

「アドナイ」(わが主)とか、「ハシェム」(御名)と読みます。

ユダヤ教の祭司(コーヘン)家系の人々の間には今も正しい読み方が伝わっていますが、

それは門外不出です。 エホバでもヤハウェでもないそうです。 

              手島佑郎 拝


Subject: 戒律 ウール麻

Date: Mon, 1 Dec 2003 12:01:21 +0900

From: I.T.

突然ですが、インターネットで貴方のこと知り、ご教授賜りたくメールしました。

私は毛織物メーカに勤めています。

過日、フランス人に、「ウールと麻が混じった新しい毛織物を造りました。」と商品説明しましたところ「ユダヤの戒律があり、ウールと麻は、相容れない」といわれ、びっくりしました。 豚は口にしない。は知っていましたが、このウール麻の件は、本当なんでしょうか??  ご教示ください。

          ××株式会社   ITより

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回答 Date: Mon, 01 Dec 2003 15:21:22 +0900

××株式会社

I.T.様

さて、お尋ねの件ですが、

ウールと麻の混紡に限らず、すべて混紡の布製品はユダヤ教徒のあいだでは使用できません。

食品でも繊維製品でも、無添加・純正であることが基本です。


24日はありがとうございました。

Date: Fri, 26 Dec 2003 12:39:55 +0900

From: J.S.

 

手島 佑郎様

 先日はすばらしいお話を聞かせて戴きまして、ありがとうございました。

まちづくりについて、教育問題、イラク情勢の中で・・・等々幅広いお話を聞かせて戴きました。

不況といわれる中、視野が狭くなっていた自分に気づかされ、楽しく目標に向かっていく事の大切さを教えて戴きました。

現在、中学のPTA会長(町PTA連絡協議会会長)の活動をしながらも、なにか一つ忘れている様な気持ちを拭いとる事が出来ませんでした。

先生のお話を聞き、心が晴れた様であり、すばらしいクリスマスイブでありました。

先生には寒さ厳しくなる折、お体をご自愛され、益々ご活躍されます様お祈り申し上げます。

ありがとうございました。   J.S. 


 

年賀メール返信  Date: Thu, 8 Jan 2004 17:54:48 +0900

From: "T. I."

 

早々の年始のご挨拶を頂戴し、ありがとうございました。

本年も宜しくお願い申し上げます。

中国深センからです。 SARSの只中の広東省ですがマスク姿も見られませんし、パスポート コントロールも香港、中国・深センとも審査官はマスクを着用していません。

ネゴが生活の一部である中国で、海外の大企業から個人で10億を超える 外貨を使って生産設備を購入出来るまで上り詰めた、本来極々一握りの 人々と常に付き合っておりますと、日本人の個人のポテンシャルの低さ、 組織の看板と個人座標軸が同化してしまっていることをまざまざと感じ させられます。

個人より、何に・どこに所属しているかで人を見られる日本社会では勿論、 その日本でどっぷり漬かった人間が、日本を出て何が出来るか、考えさせ られるこのごろです。

先生のメールを拝見し、自分を見つめ直す機会を出張先でほんの少しの 時間頂きました。了

        S.I.



 

Subject: 旧約聖書に関する質問があります

 Date: Sun, 11 May 2003 18:16:59 +0000

 

From:  I.K. 氏より

 

お忙しいところ突然メールをさしあげてたいへんもうしわけありません。

 

私はアメリカ合衆国に在住している泉健一と申します。以前、数回旧約聖書に関してメールを手島先生にお送りしてお

返事をいただいたことがあります。

 

また、都合により今回はホットメールアカウントを使っておりますが、私のメールの匿名性を高めるためではありませ

んのでどうかお赦しいただけるようお願いいたします。私はキリスト教徒です。

 

今回の質問ですが、創世記の12章1節から3節に関してです。ここの箇所で「あなたを祝福する人をわたしは祝福し、

あなたを呪う者をわたしは呪う」とあります。

 

ここの句を昨今、「イスラエル(共和国)を祝福する人をわたしは祝福し、イスラエルを呪うものをわたしは呪う」と解

釈する人たちがいますが、厳密に原典に立ち返って考慮してもこのような解釈は可能なのでしょうか?

 

また、「あなたを祝福する人をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う」という箇所についても、アブラハム

からイサク、ヤコブへと契約として受け継がれていったと解釈することは可能なのでしょうか? また、この箇所はア

ブラハムの血統を受け継ぐものだけに制約されるのか、それとも改宗ユダヤ教徒にも適用されると考えうるものなので

しょうか?

 

お返事いただけるとたいへんうれしいです。ぶしつけなお願いではありますが、どうかよろしくお願いいたします。

 

_________________________________________________________________

 

回答 Date: Wed, 14 May 2003 12:02:32 +0900

 

I.K. 様

 

上記ご質問ですが、宗教的狭量かつ狂信的な人は、そういう極端な解釈をするかもしれません。

 

ユダヤ人の立場からすれば、ユダヤ人を祝福する人には、人種・宗教の如何にかかわりなく、

 

その人へも神の祝福が及ぶものだということでしょう。

 

しかし、「イスラエル(共和国)を祝福する人を」というのは、御都合主義と云うか、曲解でしょう。

 

アブラハムはユダヤ人の祖先であるばかりでなく、イスラム教徒の祖先でもあります。

 

ヘブロンのアブラハムの墓をイスラム教徒が長年守ってきたことを忘れてはなりません。

 

アブラハムへの祝福は、アブラハムが抱いた信仰を受け入れる人々全てへ及ぶものではないでしょうか。

 

改宗者のみならず、異なる宗教の人でも、アブラハムの神を敬う人には及ぶものだと考えるべきでしょう。

 

手島 佑郎 拝

 

============================

 

返礼: お返事たいへんありがとうございました。

 

Date: Thu, 15 May 2003 11:14:18 +0000

 

I.K.です。

 

手島先生、たいへんご丁寧なお返事ありがとうございました。礼儀をわきまえず急なメールであったにもかかわらずお

返事くださったことに感激いたします。


Subject: トーラー研究会参加の感想

Date: Fri, 4 Apr 2003 11:09:05 EST

From: K.M.氏

 

 今日はどうもありがとうございました。旧約聖書は難しくて、どこかとっつきにくいものだと思っていました。しかし先生がわかりやすく説明してくださったので、もっともっと聖書から知識を得たいという気持ちになりました。そして少しずつでもいいからユダヤ人の発想を身に付けたいです。

 私は2年前イスラエルのキブツボランティアに参加しました。参加した理由はイスラエルとイスラエル・パレスチナ問題に大変興味があったからです。

 滞在していたキブツはアシュケロンからキリヤトガット行きのバスに乗って約20分ぐらいの所にあるキブツでした。そこをベースにしてエルサレムや死海それから南のミルペラモーンや北のゴラン高原など見てきました。エルサレムには3回も訪れてしまいました。

 自分がいた頃は、2000年の秋に現首相のシャロン氏が神殿の丘を訪問しそれがきっかけで始まったインテリファーダの真っ只中でした。そのため町へ出るとなんとも言えない緊張感を感じました。ビックリしたのがあのような緊張状態でも人々は元気で活気があるのです。自分には彼らがそれぞれ希望を持って明日という日を信じて生きているように見えました。それとたくましく見えました。タルムードに「明日について心配するな。今日何が起きるかさえわからないのだから」というのがあるかと思います。

 ユダヤ人が2000年もの間迫害され続け、きわめつけがナチスのホロコーストにあいながらもどうしてここまで生き延びられたのか不思議です。21世紀は大競争の時代と言われていますがこの日本という国は果たして生き残ることができるのか大変危惧しております。自分はトーラーなどを学びユダヤ人的発想を身に付けサヴァイブしたいです。

 来月は出席できません。6月のトーラー研究会を楽しみにしております。今日はありがとうございました。



質問(ヘブライ大学の学長とは)

Date: Sun, 9 Mar 2003 02:05:53 +0900

From: O.M.さん

 

手島 佑郎 先生

3月5日(水)『トーラー研究会テープ2巻』 受け取りました。有り難うございました。

『マッツァ』を有り難うございました。イスラエルで作られた物とも知らず、母は「美味しい」と言って、簡単に食べてしまいました。後でテープを聞いてイスラエルで作られたと知り、ビックリしていました。本当に美味しかったようです。有り難うございました。

教えていただきたいのですが・・。

前回の先生のWebページで、先生はヘブライ大学初代学長は『サムエル・フーゴ・ベルグマン』先生と、書いておられましたが、

この前『大航海』No.44を読んでおりましたら、

=======================引用開始109ページ==============

(前略)

アラブ人との関係においてシオニズム主流から離れたブーバー、彼と主義を共にし、ヘブライ大学の創設に関わりその初代学長になったイェフーダ・マグネス(1877〜1947)、1923年に大学でユダヤ神秘主義を講じたショーレムたちの動きはイスラエルの政治活動の大きな拠点になっていた。

(後略) (上山安敏先生著)==================

と、書いてありましたが、これは間違いでしょうか。済みません。よろしくお願いいたします。

-------------------------------------------------

回答 Date:  Wed, 12 Mar 2003 09:36:51 +0900

ヘブライ大学の運営は、President & Rectorの2人3脚になっています。

Presidentは総長とか学長とか訳しますが、これは対外的資金集めなど経営母体にかかわる理事長職です。Rectorは専ら教育運営を担当する学長です。

マグネスは初代プレジデントでした。ベルグマンは初代レクトールです。



Subject:「 困難は乗り越えるためにある」を読ませていただきました。

Date: Fri, 28 Feb 2003 10:45:43 +0900

From: I.S.氏より

 はじめまして。先日初めて先生の書かれた本を読ませていただきました。以前から、BSテレビなどでイスラエルの問題などについての放送を見ることを通して、ユダヤ人の思想を理解したいと考えておりました。

 成功した人の運とか、時代の流れとかというような、不確定な要素を考慮してに、啓発書は読むものと思っておりましたが、先生の書物の中にはその普遍的な要素が書かれており、どのような時代であっても、どのような世代であっても人生のあらゆる面で役立つ知恵をいただくことができる内容でした。

 これから少しずつ先生の書籍などを通して、学びを深めていきたいと思っております。

 最後に私もクリスチャンですが、先生もそうであることを知り驚いたというより、うれしくなりました。私の家系は仏教で兄が僧侶をしております。まだまだ、私がクリスチャンであることに、理解を示してもらえませんが、さまざまな学びの機会を生かさせていただき、これからの歩みに、また、周りの人のキリスト教への理解にも役立たさせていただきたいと思っております。ありがとうございました。

----------------------------------------

返事 Sent: Friday, February 28, 2003 4:34 PM

I.S.様

拙著をお読みくださり光栄に思います。有難うございます。

お家の宗教が仏教との由。

内村鑑三先生の『代表的日本人』という本をお読みになりましたか。岩波文庫にありますが、あの本の中で、彼は日蓮を代表的日本人の一人に取り上げています。わたしは、私達の先輩に日蓮、法然、親鸞、道元、栄西、空海、一遍など多くの精神的宗教的偉人がおられることに深く感謝しています。

そうした精神的先達が多数おられたおかげで、まがりなりにも私も西洋の文物を理解し、その中からユダヤ教やキリスト教に接することができるようになりました。

フォレスト出版から出した「ユダや思想にふれた私」という本は、私の半生の懺悔録です。機会があればお読みください。

また最初の本「ユダヤ人はなぜ優秀か」という本は、出版社が倒産し既に絶版ですが、図書館などで見かけたら一度お読みください。日本に帰国して間もない頃のいちばん新鮮だった作品です。原題は「ユダヤ人社会とその宗教思想」でしたが、 出版社の意向でああいうタイトルになりました。

貴兄はどのようなお仕事をされているのですか。どちらにお住いですか。 機会があれば、東京・赤坂溜池で毎月開催しているトーラー研究会を覗いてみてください。基本的に毎月第1金曜日の夕方6時半からです。

ご活躍とご健康をお祈り申しあげます。  ごきげんよう。

  2003/2/28    手島 佑郎 拝

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返事の返事 Date: Sat, 1 Mar 2003 13:20:32 +0900

From: I.S.氏より

 

 お誘いいただき、ありがとうございます。私は四国の香川県に住んでおります。今は30歳で、自宅にて、再就職のための勉強をしております。具体的には、税理士へ向けての勉強で、これから2年位を目標に、がんばっております。

 以前から、イエス様の生まれた時代背景や、文化、風習などといった、その時代の価値観や、道徳観などを知りたいと思っておりました。先生の書籍を読ませていただき、また、先生のご経歴を見させていただき、興味を持たせていただきました。

このようにご返信いただけるとは思っておりませんでしたので、驚きとともに感謝しております。ありがとうございます。

住まいが地方ですので勉強会は出席できないようです。本当に残念です。

 救いに関しても、理解を深めないなら、独善的な感覚も持ち合わせてしまうような気がします。ですから、いつも広い視野と深い理解をもつためにも、機会の持てる限り、勉強したいと思っております。

 これから、時を見つけて、先生がご紹介くださった、内村鑑三先生の「代表的日本人」という本もぜひ読んでみたいと思います。過去に宗教を起こされた方々の志が、いかなるものであったのか、このことについても、知りたい気持ちでいっぱいです。先生の半生記も、楽しみに読ませていただきたいと思います。

 また、良い書物がありましたら、ぜひこれからもご紹介くださいませ。

 ますますのご活躍とご健康をお祈りしております。

                             I.S.



Subject: 突然申し訳ございません。卒論資料の問い合わせ

Sent: Friday, February 21, 2003 11:38 AM

From: H.I.氏より

手島先生様

突然のメールで大変申し訳ございません。

私は今大学の通信教育で卒論の作成にあたっています。

以前からユダヤ教・ユダヤ人についてとても興味があり、それについてもっと 詳しく勉強していきたいと思っていましたので、卒論のテーマも19世紀末〜20世紀初頭のアメリカにおけるユダヤ人移民を選びました。でも、なかなか思うようにいかずどうしたらいいのだろうと悩んでいます。

ロシア系ユダヤ人移民を中心に書いていきたいと思っているのですが、史料等などでこういったものを探すといいなどといったアドバイスなどがもしかしたら戴けるかも・・・・・と本当にあつかましくて恥ずかしいのですが、藁をもつかむ思いでメールを出してしまった次第です。

正統派ユダヤ教と改革派ユダヤ教の違い等を考察していきたいと思っているのですが、正統派・改革派のラビの思想等を調べることができる史料でご存知のものがあれば、是非教えていただけないでしょうか。

アメリカにおける正統派と改革派の違いにはそれぞれのシナゴグの位置が大き関係していると思うのですが、そういったことを調べるにはどうすればいいのでしょうか。

自身の勉強不足を棚にあげてこんなメールを出してしまいまして、本当に申し訳ございません。

何卒よろしくお願い致します。

  広島市   I.H.

-----------------------------

(回答)Sent: Friday, February 21, 2003

 

I.H. 様

正統派ユダヤ教と改革派ユダヤ教の違いなどを知りたいということですが、

イスラエルやユダヤのことをあれこれ調べるには、まず Encyclpopaedia Judaica や Jewish Encyclopedia をひもとかれるのが宜しいでしょう。最近では、CD-ROMにおさめたコンパクトなものもアマゾンで入手可能なはずです。

インターネットのゴーグルなどで、Conservative Judasim, Reform Judaism など検索すれば、いろいろな資料が浮かんでくるでしょう。

わたしは利用したことがありませんが、ユダヤ教の資料を満載しているサイトに、http://shamash.org/trb/judaism.html もあります。

自分で資料をさがしてこそ、研究は身につくものです。但し、著者が生かじりの断片的知識を寄せ集めて書いている本は危険です。誤った結論へ誘導されかねません。

わたしは、日本人が日本語で書いたユダヤ教研究の本は殆ど読んだことがありませんので、どのような本があるか知りません。

ユダヤ人が書いた外国語の本を日本語訳にしたものもあるかもしれませんが、訳者のユダヤ教への理解度によって、日本語の内容にも差違がでているようです。

「ユダヤ民族史」(六興出版)などは、まあ参考になるでしょうが、 外国語から日本語へ翻訳した本は、しばしば訳文が難解です。それよりも英語で読むほうがまだ理解しやすいでしょう。

 もし図書館に私の最初の著書「ユダヤ人はなぜ優秀か」(サイマル出版会、初版1979)があれば、それはご参照になってみてください。すでに絶版ですが、多くのユダヤ研究者があの本を参照したり、無断借用しています。

  それにしても、文献だけでユダヤ教を理解しようとするのは無謀です。神戸の山の手にユダヤ教会(シナゴーグ)があるそうですから、いちど土曜日朝のそこの礼拝に参加されるとよろしいでしょう。

> ご健闘をおいのりします。   手島 佑郎 拝

-----------------------------------------

Subject: ありがとうございます

Date: Fri, 21 Feb 2003 23:21:29 +0900

From: I.H.氏より

手島先生 様

早速のお返事をいただきましてありがとうございました。

先生のご意見、参考にさせて戴きます。

道のりは長いと思いますが、諦めずに頑張っていこうと思います。

本当にどうもありがとうございました。I.H.

 



Subject: 父系母系についての質問

Date: Wed, 12 Feb 2003 23:17:26 +0900

From: O.M.さん

 

手島 佑郎 先生

教えていただきたいのですが、 先生は講義の中で「ユダヤ社会は父系家族」とおっしゃって おられますが、ユダヤ人である事を決定する事と、ユダヤ社会 には相違が有ると言う事でしょうか。

『ユダヤ学のすべて』の本の「ユダヤ教」の中に

> =================引用開始 p24====================

> 前略

> ユダヤ人であることを決定するのは、最終的にはユダヤ教の 信仰である。

>ラビの有名な、「母親がユダヤ人であるなら、その子供もユダヤ人である」

>という生物学的規定も、実は、母親はいつも子供のそばにいてユダヤ人として

> 教育することに責任を取れるが、父親はいつも側にいるわけでないので子供の

>教育に責任を持てないという考えがその根拠になっている。つまり伝統的な見解

>では子供がユダヤ教徒として育てられるかどうかがユダヤ人定義の「鍵」なのである。   

> 後略       (手島勲矢先生著)

====================================

と、書かれてあるのですが、母親がユダヤ人であればその子供は父親が異邦人でもユダヤ人ではないのでしょうか。

変な質問ですみませんが、よろしくお願いいたします。 O.M.

-------------------------------------------------------

回答 Date: Sun, 16 Feb 2003 10:19:46 +0900

 

「母親がユダヤ人であるなら、その子供もユダヤ人である」というのは、移民の帰還に関して、イスラエル政府が移民を受け入れるか否かを決定するさいの基準にすぎません。

離散地でユダヤ人女性が強姦された場合、生まれてくる子はユダヤ人として育てるしかなかったことが大きな理由なのでしょう。

母親がユダヤ人であるということは、ユダヤ教徒として認定されているという意味です。

母親がユダヤ人の両親のもとで生まれた「生物学的にユダヤ人である」だけでは不十分なのです。

母親がユダヤ人であっても、父親がユダヤ人であっても、本人がユダヤ教の帰依の意思を表明し、そのことへの裏書きを正統派のラビがしてくれないかぎりイスラエルではユダヤ人ではないのです。

子供の教育は父親の義務であるとはミシュナは規定しています。母親にはそうした義務は要求されていません。

手島 佑郎 拝



>
Subject: トーラーに関する質問

Date: Wed, 11 Sep 2002 23:58:30 +0900

From: "Sumiko A."

  手島先生、はじめまして、こんにちは。

  先生のウェブサイトを拝見しメールをお送りする次第です。

  教えていただきたいことがあります。

質問1. 英語版のトーラーを読みたいのですが、お勧めのものがありましたら紹介してください。出版社、題名、訳者(ヘブライ語から英語に翻訳?)を教えてください。

  質問2. トーラーの日本語訳がいくつか出版されているようですが、最も原書に忠実なものを読みたいと希望しております。私の希望にあうものをご存知でしたら、出版社、題名、訳者を教えてください。

  理由: カリフォルニアに1年赴任している間に何人かのユダヤ人の友達ができ、そこで初めてみユダヤ文化に触れ、感銘をうけました。もっと深くユダヤ教やユダヤ文化について学んでみたいと思うようになりました。

  9月に新年を迎えたのを期に、今年の目標として毎週土曜日にユダヤのスケジュールに合わせてトーラーを読むこととしました。9月29日にスタートします。

  amazon.com で torahを検索してみたら、あまりにたくさんの本が表示されてしまい、どれを買ってよいのかわかりません。

  解説本や物語り風アレンジ本は、将来読むとして、まず今年は最も原書に忠実な英語版と日本語版に取り組みます。先入観や他人の入れ知恵なしに、まっさらな心で読んで見たいからです。

  先生のトーラー研究会にもたいへん興味があります。残念ながら東京まで旅するのは難しいので参加できません。現在身近にはユダヤ人はいない状況で、しかも日本人の中でユダヤ関係に取り組んでいる仲間を見つけることもできず、自分ひとりで地道に取り組んでいます。日本の中でトーラーを研究している人たちがいるんだ、と思うだけで励みになります。

  突然のメールでいきなり質問するというのも、なんだかぶしつけな感じがして気が引けてしまいますが、どうかよろしくお願いいたします。

Shalom,

Sumiko A.

=====================================

From: "gilboa" <gilboa@mp.0038.net>

Sent: Thursday, September 12, 2002 9:05 PM

> Sumiko A 様

>> トーラーとは、聖書の冒頭の「モーセ5書」です。

> アメリカのユダヤ教会(シナゴーグ)では、リフォーム派かコンサーバティブ派で あれば、たいていどこでも英訳付きのトーラーを備えています。お近くのシナゴーグを訪ねて、助言を仰がれてはいかがでしょうか。

> 日本語の訳は、新しいものほど文章が悪く、あまりお勧めできません。むしろ、 日本聖書協会で戦前から出版していた「文語訳」をお勧めします。まだ入手可能のはずです。

>ユダヤ暦5763年の新年に臨んで、あなたのうえに祝福がありますよう祈ります。

> 2002/9/12(天地創造暦5763年ティシュレイ月6日)  手島 佑郎 拝

=======================================

Subject: Re: トーラーに関する回答

Date: Thu, 12 Sep 2002 22:57:26 +0900 From: Sumiko A

ありがとうございました。

先生のうえにも祝福がありますようお祈り申し上げます。

Shalom,

Sumiko A


ユダヤ人男性との結婚に関する人生相談 交信3回の記録より


Subject: 突然すみません

Date: Sat, 13 Jul 2002 21:59:31

From: x.z.さん

こんにちは。私は●●に住む 二十代後半のOLです。

HPで先生のことを拝見し、ご相談してみようと思いました。

私の彼はカナダ人でユダヤ教です。現在は▲▲で英語指導助手の仕事をしています。

今月までで、契約期間満了のためその仕事を終えて、帰国する予定です。

まだ 次の仕事のことも決まっていないため特に すぐ結婚ということはないのですが、今後も付き合いは続けていきたいと思っています。

そして 彼から、私もユダヤ教でないと私達の結婚は彼の両親から必ず反対されると言われました。以前に同様のことがあったようです。

という訳で 私も日本でユダヤ教の勉強をして、改宗しようかと思っています。

東京のユダヤ教団に電話したところ  日本語を分かるラビはいないので 全て英語でしなければならないといわれました。今の私の英語力では とても厳しいと思われます。

先生 こういう私の場合はどのようにすればよいのでしょうか。

今は英語も勉強中ですが、電話はとても難しく、東京も遠いので しょっちゅう行くわけにはいきません。

彼も帰国してしまいます。何かよい方法をご存知でしたら ぜひ教えてください。

名前を忘れてしまいました。

X.Z.です。

どうぞ宜しくお願いします。

----------------------------------------------

Subject: Re: 回答

Date:Tue, 16 Jul 2002 09:44:32 +0900

X.Z.様

あなたの恋人がユダヤ人だそうですが、ユダヤ教には大別して3つの宗派があります。

オーソドックス、コンサーバティブ、リフォームです。

彼の両親がどれに属しているかによって、対応が異なります。

リフォームであれば、あなたがカナダへ行って、そこでリフォーム・ユダヤ教の勉強をすれば

比較的簡単にユダヤ教徒にしてくれます。

どこで改宗手続きをするのであれ、ユダヤ教への改宗の勉強は、1年以上かかります。

彼と結婚し、カナダで生活するのであれば、どのみち英語を覚えるしかありません。

その国で生活すれば、覚えるものです。

 

あなたの場合、選ぶべき道は4通り考えられます。

1.) カナダへ行って、そこの生活にとけこみ、その上でいずれの宗派であれ、ユダヤ教の指導をシナゴーグで仰ぎ、ユダヤ教に改宗する。その上で結婚する。 

2.) 彼と結婚するが、あなたのユダヤ教への改宗が完了するまで子供を生まない。母親がユダヤ教でないと、子供がユダヤ人になれないから。

 3.) 彼に日本に住んでもらい、あなたの家の宗教を彼にも受け継いでもらう。

4.) どちらにせよ、親の反対があるから、あなたにユダヤ教になってもらわないと結婚できないというのでは、彼はまだ親離れしていない。あなたよりも親を大事にしているのですから結婚してうまくいくのか疑問がある。つまり彼と別れる。

以上のどれかが、あなたの選択でしょう。  

                    手島 佑郎 拝

 

--------------------------------------------------

Subject: ありがとうございました。

Date: Wed, 17 Jul 2002 06:22:55 +0900

From: X.Z.

手島先生

先日は 私のメールの返事をいただきありがとうございました。

やはり 日本で改宗の勉強をするというのは 無理なんですね。

私は イスラエルに行った事もなく ユダヤ人という人は彼しか知らず、ただ彼の両親から結婚を反対されるからという理由でユダヤ教にならなくてはならないと思い焦っていました。

私が カナダへ行くとしても もう少し先のことになりそうなので、これから ユダヤに関する本をたくさん読んで、ユダヤの文化、日常行事などに触れる機会をもちたいと思っています。

できれば エルサレムなどもみて、自分の意志でユダヤ人になりたいと思います。

先生のHPの ユダヤの知恵というのはとても 興味深いと思います。

先生は どうしてユダヤに興味をもたれたのですか。

ユダヤ教を本格的に勉強したいと思ったのは どういう理由からでしょうか。

また ぜひ読んだ方がよいという本がありましたら、教えてください。

聖書の購入も考えています。旧約聖書というものなら どれでもよいのですか。

どうぞ よろしくお願いします。

X.Z.


ユダヤ教ともものスジについて 往復メール5回


1) Subject: はじめまして

Date: Wed, 12 Jun 2002 19:21:32 +0900

From: K. Kato To: gilboa@mp.0038.net

手島佑郎様

はじめまして. Kと申します. 仙台に住む学生です. 教えていただきたいことがあってメールしました.

(ある小説の読書会で話題になったことです.)

旧約聖書, 創世記32,『ペヌエルでの格闘』の最後に,

>こういうわけで, イスラエルの人々は今でも腿の関節の上にある腰のすじを食べない. かの人がヤコブの腿の関節, つまり腰のすじのところを打ったからである. (新共同訳)

とあります. そこで,

質問1: 聖書のここの記述はカシュルートに影響していますか.

質問2: 彼らが食べないという ``腰のすじ'' とは具体的に何を指すのですか.

   (筋肉, 神経, 血管, 腱, 靭帯などのうちのどれなのでしょう?)

質問3: その ``腰のすじ'' を食べないようにするために,

   お肉屋さんはどのように肉を切り出し, 加工するのでしょうか?

質問4: その ``腰のすじ'' は現在でもカシュルート違反として

   食べない人が多いのですか?

以上です. どうかよろしくお願いします.

June 12, 2002  K Kato

------------------------------------

2) Re: 回答

Date: Sun, 23 Jun 2002 16:03:21 +0900

From: gilboa <gilboa@mp.0038.net>

 Kato 様

質問への回答は次の通りです。

> > 質問1: 聖書のここの記述はカシュルートに影響していますか.

回答:もちろんです。

> > 質問2: 彼らが食べないという ``腰のすじ'' とは具体的に何を指すのですか. (筋肉, 神経, 血管, 腱, 靭帯などのうちのどれなのでしょう?)

回答:具体的には、神経です。とりわけ座骨神経です。

> > 質問3: その ``腰のすじ'' を食べないようにするために,お肉屋さんはどのように肉を切り出し, 加工するのでしょうか?

回答:屠殺の段階で、牛、羊、山羊などの家畜からすべての神経を切除廃棄します。屠殺は、ユダヤ教の戒律を熟知しており、屠殺人の免許を所有するショヘット(屠殺人)によって執行されます。

> > 質問4: その ``腰のすじ'' は現在でもカシュルート違反として食べない人が多いのですか?

回答:戒律を守るユダヤ人は、すべてカシュルートに適合しない食品は口にしません。

ちなみに、ユダヤ教のことを、中国人は「刀筋教(筋を切り取る宗教)」と呼んでいました。

    手島 佑郎 拝

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

3) 再度質問

Date: Thu, 27 Jun 2002 00:55:12 +0900

From: K. Kato  

手島 佑郎 様

丁寧に答えていただき, ありがとうございます.

神経に関してもうひとつ質問させてください.

 神経が他のすじ状のもの(例えば腱)と区別して同定されたのは中世以降だったと思います.

 旧約聖書成立の頃に, 『ペヌエルでの格闘』におけるヘブライ語の``gid hanasheh'' が 現在の解剖学でいうところのnervus ischiadicus(坐骨神経)を指していたのでしょうか?

 ただ坐骨神経はものすごく太い神経なので,その存在は当時から他のものとは別に認識されていた可能性はあるような気もします.

 余談ですが, 私は医学部の学生でして,去年の解剖学実習のとき, 坐骨神経の太さには驚かされました.

 主要な神経を同定するのが実習の最重要な目標のひとつですが, 実際の献体で結合組織に埋まっている各神経を剖出・同定するのは,  慣れるまで一苦労です.

 プロのショヘットはすばやく作業するのだろうなと想像しています.

June 27, 2002

 

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4)補足回答 

Date: Thu, 27 Jun 2002 08:44:08 +0900

From: gilboa <gilboa@mp.0038.net>

K. Kato様

 ``gid hanasheh'' は nervus ischiadicus(坐骨神経)を指しています。gid hanasheh はもともと nervus ischiadicusだったのです。

 というのは、「ミシュナ」には西暦2世紀中葉のラビ・ユダもラビ・メイールの議論が記録されてあり、その中で、ショヘットは「胎児の腰の筋と脂肪」を厳密に区別できることにも責任を持たなければならないと言及しています、外国人に腿の骨付き肉を贈るさいにも、その中にある「gid hanasheh」を取り除けと命じています。さらに、gid hanashehは、ほかの筋と一緒に煮ても、匂いが違うと指摘しています。もし煮込みの中で、gid hanashehがほかの筋と区別できなければ、料理ごと捨てよと命じています。

 中世の西洋で解剖学がすすみ、医者たちは他の筋とnervus ischiadicusとの区別をするようになったのでしょう。だがユダヤ人たちは、他の筋と gid hanashehとは最初から区別していたのです。別のラビの資料では、硬くて切るのが大変だとさえ言及しています。

念のために、  手島 佑郎 拝

 

追伸、私のURLにのせているヨルダンのザルカ峡谷、マハナイムの写真をごらんください。ユダヤ人の祖先ヤコブが相撲をとった場所です。

------------------------------------------------------------>

5)Subject: ありがとうございます

Date: Thu, 27 Jun 2002 23:29:36 +0900

From: K. Kato

手島様

 よくわかりました! これでようやく来月の試験のための勉強に集中できそうです. (^^;)

 いままでイスラエルのことはほとんど知らなかったのですが, たったこれだけのことを知っただけでも,  なんとなく興味が湧いてくるものですね.

 ひとつのことでも「知っている」と「知らない」には大きな差があるものだと感じました.

 URLのヨルダンのザルカ峡谷、マハナイムの写真を拝見しました.

 そこが土俵となった場所だと思って見ると, 感慨深いものがありますね!

 お忙しい中, 私の質問に答えてくださったことに感謝申し上げます.

June 27, 2002

K. Kato

 


6 Responsa with Mr. AC

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1-1) Subject: Re: historical accounts

Date: Mon, 18 Jun 2001 18:58:04 -0400

From: Mr. A.C.

I've read stories and accounts of the hidden zaddik for a year. Can you answer a few questions for me? Is it known whether they are still among us today? Did they always live only near Israel or did they travel to areas such as Europe or Asia?

_____________________________________________________________

1-2) Date: Tue, 19 Jun 2001 20:58:13 +0900

From: gilboa To: Mr. A.C.

Dear Friend:

The hidden zaddik/zaddikim are always among us even today.

They are preparing many things for the coming of Elijah HaNabi.

Most people do not notice who he is because he/they do not reveal

himself/themselves to the people in public.

You probably can acknowledge him only after he left good things behind you.

Kol Tuv and blessings to you.

yours, JYT

* * * * * * * * * * * * * * *

1-3) Date: Tue, 19 Jun 2001 19:09:53 -0400

From: Mr. A.C.

I am not well versed in the names among the Hebrews today. Can you tell me, is Elijah HaNabi the return of Elijah, his

return before the arrival of the Messiah? Or does this name possibly refer to the Messiah?

__________________________________________________________________

1-4) Date: Wed, 20 Jun 2001 09:01:44 +0900

From: gilboa To:Mr. A.C.

Elijah HaNabi means the Prophet Elijah. Refer the book of Malachi chp. 4 verse 5.

Judaism believes that the hidden zaddikim are engaded in the restoration of the orderly world as a part of their functions for the coming of Elijah, which eventually will bring the opening to the Parusia, the Arrival of the Messiah.

By the way, Mr. AC, I wonder how did you get my mail address?

Tell me please.

JYT

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1-5) Date: Sun, 24 Jun 2001 10:12:07 -0400

From: Mr. A.C. To: gilboa@mp.0038.net

I don't see your website as being esoteric, but I've read parts of Tales of The Hasidim. I loosely include the hidden zaddikim with the types of figures like the Ball Shem Tov, the masters. So I don't see how Martin Luther King or Martin Buber can be listed among the zaddikim; they were not masters but were important servants to others. From what I know, except for exceptional instances the Zaddik are nearly unknown and anonymous. Do you typify King and Buber with the zaddikim because they were such valuable servants to man. I lost the address of your website - can you send it to me again, please?

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1-6) Mon Jun 25 09:33:21 2001

To: Mr. A.C.

The zaddikim are not necessary be masters.

The meaning of the word "zaddik" is 'righteous one.'

The zaddik are essentially important servants to others.

Judaism acknowledges the possibility of the gentile zaddik (goi zaddik).

The greatness of Buber or Heschel is in their dedication to the human sake.

Therefore, they should be called the zaddiks at least from my point of view. Martin Luther King was respected by many observant Jews. Why? Because he was so devoted to the cause of human beings.

Remember, the Baal Shem Tov was the zaddik to his followers but not to his opponents. And He never called himself as a zaddik.

God bless you and many blessings to you.

Jacob Y Teshima DHL


チェリスト・山岸宣公氏との交信

(1)From - Fri Jul 6 10:32:10 2001

Received: from チェリスト・山岸宣公氏

貴君のHPは素晴らしい!!!

これからもどしどし活躍の程を。

一つ尋ねたいことがあります。

ヴェルディ作曲、オペラ「ナブッコ」中、合唱曲で「行けわが思いよ黄金の翼に乗って」という音楽があるが、これは聖書のどの部分に載っているかを知りたい。よろし く教えてほしい。

ちなみにイタリア語では次のように書いてあります。

Va, pensiero, sull'ali dorate.

Va,tiposasuiclivi suicolli.........

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(2) Date: Fri, 06 Jul 2001 10:09:40 +0900

From: gilboa To: Yoshiyuki Yamagishi

山岸宣公 様

先日は楽しかった。有難う。

さておたずねの件「「行けわが思いよ黄金の翼に乗って」という句が聖書のどこに

あるか.....についてですが、

どこにもそのままの句はありません。

参考になりそうなのは、つぎの有名な2句です。

 「わたしが曙の翼にのって海のはてに住んでも」(詩篇139:9)、

 「雲をおのれの戦車とし、風の翼にのりあるき

  風をおのれの使者となし、火と炎をおのれのしもべとなす」(詩篇104:3--4 )

こういう馴染みの一句から上述のオペラの一節が作詞されたのでしょう。

貴君の講演をまた拝聴したく存じます。

猛暑のおり、くれぐれもお大切に。  2001/7/6  手島 佑郎 拝

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(3)From - Sat Jul 7 09:58:10 2001

From: Yoshiyuki Yamagishi To: gilboa

早速の返事を有難うございます。

前記のオペラの中ではバビロニアに囚われていたユダヤ人がエルサレムを想う望

郷の 歌と聞いています。

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(4)Date: Fri, 06 Jul 2001 13:10:05 +0900

From: gilboa  To: Yoshiyuki Yamagishi

たぶん聖書の中の詩篇137篇の「我らはバビロンの川のほとりにすわり、

シオンを思い出して涙を流した」につづく詩の発想のつづきとして

詩篇139:9の「わたしが曙の翼にのって海のはてに住んでも」をアレンジし直してそのような歌詞になったのでしょう。

 


Date: Tue, 1 Aug 2000 12:12:25 +0900

From: T.Yamada 氏

 手島先生のご著書「ユダヤ思想にふれた私」を偶然に書店で見つけま

した。先生のユダヤ関係の本を大分以前に読んだ記憶があって、書店で

手にした訳ですが、“はじめに”に書かれていた読者へのメッセージを

目にした途端に購入を決めました。

 読んで見て、勇気づけられる内容でした。丁度少し前に、「皐の民」

(金重明著)を読み、その中の円仁和尚の苦難とその克服の過程に学ん

だことと共通するものがありました。

 私も50歳を目前にして、これからの人生の進め方をどうしようかと

考えていたところでした。これらの本で勇気を頂き、迷いから遠ざかる

ことが出来ました。感謝致します。


Subject: ハガダーに関する質問をさせていただけますか?

Date: Sat, 8 Jul 2000 01:38:30 +0900  From: A. Satoh

ギルボア研究所御中

手島佑郎様

拝啓

初めてメールを送信もうしあげます。神戸市で金融関連、建築関連の実務翻訳に携わっております佐藤ともうします。

このたび、サーチエンジンより手島様のサイトを知り、早速メールを送信させていただくことにいたしました。質問をさせていただいてよろしいでしょうか?

 

現在、米国のあるエコノミストの自叙伝を訳しています。このエコノミストがユダヤ人でいらっしゃるために、Haggadahを過越祭の夕べに読むことから、以下の一節を引用なさっています。

『The struggle for freedom is a continuous struggle

In every age some new freedom is won and established

Yet each age uncovers a formerly unrecognized servitude

Requiring new liberation to set man's soul free. 』

出典はHaggadahということだけ記載されており、ページなど引用箇所の記載がありません。昨日、NiftyServeのあるフォーラムで質問しましたところ、ハガダーの邦訳・解説書が出版されていることがわかりましたが、上記の引用箇所が掲載されていますかどうかは、わかりません。

上記の引用箇所を日本語に訳しました。

「自由を求める闘いは続く。

いつの時代も新しい自由は勝利を得て確立された。

いつの時代も昔わからなかった隷属の覆いを取るが、

人の心を解放する新しい自由が必要となる。」

悪文でもうしわけございません。手島様がユダヤ教に関して研究なさっていることをサイトで拝読しました。初めてメールを差し上げますのに、お手数をかけて大変恐縮しておりますが、以上の引用箇所の邦訳がございましたら、お教えくださいませんでしょうか?祈祷書ですので、きっと文語体で書かれているものと思います。アドバイスをいただけましたら、幸いです。どうぞよろしくお願いもうしあげます。

私の宗教的背景をご参考にもうしあげますと、カトリック信徒です。1986年に聖地巡礼の旅に参加し、イスラエルを訪問した経験があります。

長くなり、もうしわけありません。お返事をいただけましたら、幸いです。どうぞよろしくお願いもうしあげます。  敬具

 

********************************

Date: Sat, 08 Jul 2000 08:16:30 +0900

From: "Jacob Y. Teshima" <gilboa@ea.mbn.or.jp>

佐藤 様

 

ハガダーには、正規のものから簡略なものまでいろいろな版があります。しかし、いずれもヘブライ語のテキストが正文です。下記の一節は、ヘブライ語正文のそばに添えられた英語での現代意訳の一例です。ユダヤ教の教派によって、こういう意訳というか、注釈というのをさまざまに工夫し、ヘブライ語原典の思想を現代に伝えようとしているわけです。

小生には、この一節がどこの教派のハガダーに記載されているものか不明です。しかし、この英文の文体はほとんど口語そのままです。あえて格調高く典雅に訳す必要はないかもしれません。

ご参考までに小生の私訳をご紹介します。

> 『The struggle for freedom is a continuous struggle

> > In every age some new freedom is won and established

> > Yet each age uncovers a formerly unrecognized servitude

> > Requiring new liberation to set man's soul free. 』

「自由への闘争とは 果てなき闘争なり

もろもろの世に 新たなる自由の勝利は実現するなり

げに、いずれの世もいまだ認めざれし隷属を告発し

新たなる自由解放を得て 人の魂を解き放つべし。」

           

       てしま

****************************

Satoh wrote:

> 手島佑郎様>

> 早速のお返事、ご丁寧にありがとうございます。お忙しいところ、お時間を割いてくださり、大変恐縮しております。 ご教授くださり、感謝もうしあげます。

>

『The struggle for freedom is a continuous struggle

In every age some new freedom is won and established

Yet each age uncovers a formerly unrecognized servitude

Requiring new liberation to set man's soul free. 』

 

「自由への闘争とは 果てなき闘争なり

もろもろの世に 新たなる自由の勝利は実現するなり

げに、いずれの世もいまだ認めざれし隷属を告発し

新たなる自由解放を得て 人の魂を解き放つべし。」

(手島様私訳)

>

「自由への闘いは、果てしなき闘い

いつの世も、新たな自由の勝利は実現する

故に、いずれの世もいまだ認められぬ隷属を告発し

新たな自由解放を得て、人の魂を解き放つべし。」

(佐藤 私訳)

 

手島様の訳に従いまして、僭越でございますが、さらに口語体にさせていただきました。いかがでしょうか?手島様のご承諾が得られましたら、上記佐藤私訳を翻訳会社にメモを添付し、提出させていただきたく存じ上げます。

ご返事をいただけましたら、幸いです。お忙しいところ、お手数をかけてもうしわけございません。どうぞよろしくお願いもうしあげます。

*************************

Subject: 拝復

Date: Sat, 08 Jul 2000 19:20:57 +0900

From: "Jacob Y. Teshima"

佐藤様

「Yet」は、おそらく原文のヘブライ語ではAndという程度のヴ...であったと推察されます。

「自由への闘いは、果てしなき闘い

いつの世も、新たな自由の勝利は実現する

そして、いずれの世もいまだ認められぬ隷属を告発し

新たな自由解放を得て、人の魂を解き放つべし。」

(佐藤 私訳への一部訂正)で如何でしょうか。

    手島佑郎 再拝


Subject: ハシディズムの書籍について!!

Date: Fri, 28 Apr 2000 22:13:00 +0900

手島佑郎様

毎月のメールマガジンの配信有り難うございます。毎回驚きと発見を勉強させて頂いております。

ところで、お忙しいところ申し訳ありませんが、お教え願えませんでしょうか?

先月まで掲載されていました先生のホームページの中の「ユダヤ人の歴史」の書評で先生は、

> *********引用開始********

「ユダヤの歴史を公平に論ずるならば、むしろハシディズムの発生(上巻484〜490頁)についてこそ、もっと詳しい解説をすべきであった。」

>******引用終わり********

と書いておられましたが、日本語で「ハシディズム」の事を分かりやすく書いてある本がございましたら、お教え願えませんでしょうか?

前に先生が書かれた本の中に、マルティン・ブーバー教授の事が書かれていましたので、古本屋でブーバー教授の「ハシディズム」を購入して読みました。この他に日本語で読める本をお教え頂きたいのです。なにせ英語もドイツ語もヘブライ語も読めません。

お忙しい中お手を煩わせるような事をお願い致し、申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

最後に先生のご活躍を衷心より期待しております。

     From  Tomoko.

***********************************

[ 回答 Date: Sat, 06 May 2000 09:08:34 ]

From: "Jacob Y. Teshima" <gilboa@ea.mbn.or.jp>

Tomoko 様

ハシディズムについて日本語でどのような本があるか、小生も存じません。せいぜいブーバーの著書の訳書か、あるいはゲルショム・ショーレムの「Major Trends in Jewish Mysticism」(ユダヤ神秘主義の主潮流)の日本語訳くらいしかないのではないでしょうか。後者は法政大学からドイツ語訳からの再訳が出ていたと思います。その中で、ショーレムはハシディズムについても1章をさいています。

あるいは、エリ・ヴィゼルの作品の邦訳のなかにも何か関係するものがあるかもしれませんが、こちらも日本語訳にどんな本があるか、小生はまるで知りません。

小生は、ハシディズムについては、基本的には原典で読んでおり、その他ヘブライ語か英語での研究書は幾冊か読んでいます。日本にはまだユダヤ神秘主義を原典で読んでいる学者はいないし、ハシディズムも原典で読んでいる人はいないでしょう。

あまりお役にたてず、申し訳けありません。

ブーバーの著書はかなり邦訳されていますから、図書館でお探しになってはいかがですか。

英語が出来ないなどといわず、辞書を片手にひとつ取り組んでみられるといいですね。

ご健闘をいのります。

  2000/5/6       手島佑郎拝

*****************

[回答への返事 Subject: RE: ハシディズムの書籍について!!

Date: Mon, 8 May 2000 20:15:21 +0900 ]

手島佑郎様

お忙しい中、メール有り難うございました。

>ブーバーの著書はかなり邦訳されていますから、図書館でお探しになってはいかがですか。

さっそく探してみます。学んで行きたいと思っております。有り難うございました。

 

インターネットと言う便利な物が出来たおかげで、私のような者が先生にメールを出せる事を嬉しく思っております。先生のご活躍を期待しております。有り難うございました。

      From Tomoko



[ Subject: ヨブ記13章15〜16節私訳の感想

Date: Sun, 7 May 2000 17:50:22 +0900]

From: "ichiryu" 氏より

 

恐らく彼の目前に神は現れない。彼はそれを知り抜いて記したであろう。今在るもの

は己の表象に過ぎず,己が構築した全宇宙と言う高邁な考え方は我の内に神が在る。

即ち己が神であっても矛盾は無いという処まで到達し得た人と考える。



[Subject: すてきなページをありがとうございます

Date: Wed, 12 Apr 2000 00:39:24 +0900]

From: "egg" 氏より

はじめまして。

無知ながら、へブライズムに興味を持っているものです。きわものじゃない国内のページを探していて,ようやくこのページに出会うことが出来ました。

さて、わたしも拙いながら文学のページを開設しています。つきましては、そのリンク集のなかに貴ページを掲載したくお願いいたします。

よろしければ、お返事をいただけましたら幸いです。

My site address

<http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/3786/>

 

* * * * * * * * * * * * * * *

[Subject: アンケートのお願い。from江口

Date: Wed, 19 Apr 2000 01:10:25 +0900]

先日はリンクの件ありがとうございました。

知識のための知識を漁ること、中途半端にペダンチックな小説を書きつづけに、ようやく虚しさをすこしずつ感じ始めたときに、偶然「イスラエルからの発想」に出会うことができました。

ボルヘスに誘われて、レビナスやショーレム等によってユダヤの知恵にほんのわずかながら触れてはいましたが、その知恵よりも、知識や思考・言葉の形式そのものに惹かれていたのでした。

でも、同時代のおなじ日本人が、その知恵をしっかり受け止めて、さらに日本人としてそれを消化しようという姿を見て瞠目しております。

人生のみならず文学も同じことだとは思っています。知識そのものからはなにも生まれないのでしょう。わかってはいるのですが、なかなか軌道修正は難しいものです。

      -------------------------

今回はまたお願いがあってメールします。実は、シレネス諸島の「リンク集」に、それぞれの個人サイトの管理者の簡単な紹介を掲載したいと願っています。

35項目の統一質問状を各管理者に送って、返答していただけた分について、リンクボタンからその回答を読めるようにしたいと思うのです。

質問事項はフィリップ・ソレルスの「例外の理論」を参考にしています。

ご面倒だとは思いますが、お遊びでございますので、協力してくださればとてもうれしいです。

どうか、よろしくお願いします。

くだらないと思ったら、どうぞ無視してください。

 

* * * * * * * * *

[アンケートへの回答]

Date: Thu, 20 Apr 2000 17:31:51 +0900

小生の返事は以下の通りです。 てしま・ゆうろう拝

 

1.あなたにとって悲惨の極致とは

>  (s) 他人の流血をみること

> 2.もしできることならどこで暮らしたいですか

>  (s) エルサレム

> 3.あなたにとって現世の幸福の理想とは

>  (s) 日々幸福です

> 4.どんな過ちに対して、あなたは一番寛容になれますか

>  (s) 過失

> 5.小説の主人公であなたが好きなのは

>  (s) モンテクリスト伯

> 6.あなたが一番好きな歴史上の人物は

>   (s) モーセ

> 7.実生活で一番お気に入りの女性は

>   (s) 妻

> 8.フィクションであなたの好きな女性は

>   (s) -----

> 9.一番好きな画家は

>   (s) ピサロ

> 10.一番好きな音楽家は

>   (s) ドビッシー

> 11.男性の資質で一番好きなものは

>   (s) ----

> 12.女性の資質で一番好きなものは

>   (s) ----

> 13.一番好きな美徳は

>   (s) 寛容

> 14.一番好きな仕事は

>   (s) 著述

> 15.どんな人になりたかったですか

>   (s) 内村鑑三

> 16.あなたの主たる特徴は

>   (s) 怠惰

> 17.何が幸せと考えるか

>   (s) いまそれでも生きていると自覚するとき

> 18.どういうことがあなたにとって最大の不幸になるか

>   (s) 誤解を残すこと

> 19.あなたは何になりたいか

>   (s) 思索する端から文章を書ける人

> 20.一番好きな色

>   (s) コバルトブルー

> 21.一番好きな花

>   (s) もくれん

> 22.一番好きな鳥

>   (s) 鳶

> 23.一番好きな散文作家

>   (s) 寺田寅彦

> 24.一番好きな詩人

>   (s) 斎藤茂吉

> 25.実生活であなたにとっての英雄

>   (s) --------

> 26.好きな歴史上の女性は

>   (s) -------

> 27.いちばん好きな名前

>   (s) ヤコブ

> 28.特に憎むものは

>   (s) 憎しみ

> 29.一番軽蔑する歴史上の人物

>   (s) ---------

> 30.一番立派だと思う軍事行為は

>   (s) ------------

> 31.一番立派だと思う改革は

>   (s) ------------

> 32.手に入れたい自然の恵み

>   (s) 日没の見える丘

> 33.どのように死にたいか

>   (s) 死ぬ直前まで働いて一気に息絶えること

> 34.現在の精神状態

>   (s) ------------

> 35.あなたのモットー

>   (s) The difficult means that you must go over it. -Martin Buber-

>                       以上



[Subject: タルムードの件でお聞きしたいことがあります。

Date: Mon, 24 Apr 2000 10:29:59 +0900 ]

From: M.Y.氏より 

 

 HPを見ました。私は学生時代より、ラビ、M、トケイヤー氏が出版されているタルムードの本を読み、タルムード的な生活を取り入れています。ただ、もっと詳しく学びたいと思い、今日、東京広尾のユダヤ教団に連絡したところ、断られてしまいました。タルムードといえば、ユダヤ人の精神なので、そう簡単には教えてくれないというのはよく分かっていることですが、私としては、どうしても、さらに奥深くタルムードを学びたいのです。私は、ユダヤ教の人間ではありませんが、どうしても学びたいのです。

 時間があれば、お会いできる機会を与えてくれればうれしいです。

 

* * * * * * * * * * *

[ 回答 Date: Wed, 26 Apr 2000 08:44:48 +0900 ]

ユダヤ人の精神なので、そう簡単には教えてくれないというのではなく、タルムードがヘブライ語・アラム語で書かれているために、その知識がない人に教えるのは困難だからです。原典を原語で読む。これがユダヤ人の学習の基本です。

東大の市川教授がタルムードの一部を教えていたようですから、かれに問い合わせてみては如何でしょうか。

わたしは、タルムードの基礎になっているトーラー(モーセ五書)を通してユダヤ思想を学ぶ勉強会(トーラー研究会)を毎月主宰しています。すでに160回をこえました。一度おでかけください。          てしま

* * * * * * * * * * *

[Subject: Re: トーラー研究会に件について

Date: Wed, 26 Apr 2000 21:50:11 +0900]

M.Y.氏  wrote:

 メールありがとうございました。トーラー研究会に参加したいと思いますので、日時、住所などを教えてください。また、私はユダヤ教に改宗しようと考えています。その件で、東京のユダヤ教教団に連絡しましたら、私は英語、ヘブライ語ができませんので、通訳を経ててほしいという話でした。けれども、私の場合、通訳を雇う費用は全くございません。もしよろしければ、手島さんに私の人となりを見ていただいて、ご紹介いただければと思います。

 とりあえずは、トーラー研究会に参加させていただきますので、よろしくお願いします。

                > M.Y.



Subject: Re: 教えてください。

Date: Tue, 25 Apr 2000 10:59:20 +0900

mitsu wrote:

> タルムードは、本として出版されているのですか? 教えてください。

> ∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇

[ 回 答 Date: Wed, 26 Apr 2000 08:46:06 +0900]

タルムードは、本文、補注などから構成されており、ヘブライ語とアラム語との混合で書かれています。この原典は、いつでも入手可能です。

本文部分だけだと英語版も3通りほどありますが、訳者の解釈の仕方によって、原文の意図通りでない箇所があちこちに散見されます。   てしま



[タルムードを勉強したいのですが]

Date: Wed, 1 Mar 2000 22:54:33 +0900

From: 村松氏より 

 ホームページ読みました。私は大学生の頃から、ラビ・マービン・トケイヤー氏の

タルムード関係の書物を読んでいました。タルムードから学んだことは多く、私の人

生の大きな知恵となっています。ただ、タルムードは、日本では要約版しかありませ

ん。私としては、さらにタルムードについて学びたいのですが、そのような機会を得

るにはどうすればよいでしょか?教えてください。      

* * * * * * * * *

Date: Sat, 18 Mar 2000 14:24:09 +0900

村松様

タルムードの邦訳作業はもっか一部で進んでいますが、万全ではありません。それに、邦訳版は大学や図書館など特定の研究機関に進呈されており、市販されていません。原文ではむずかしすぎるでしょうから、できれば英語でお読みになるのがよろしいかと存じます。

なお、関西には「日本・ユダヤ文化研究会」という団体があり、ここでは4月から1年間毎月タルムード研究会を開催するそうです。詳細は、事務局担当の川上さん(電話/FAX 078-222-2397)にお問い合わせになってみてください。

東京では、東大の市川教授がタルムードの根幹であるミシュナの講読会を主宰し

ておられましたが、現在どうされているか、私には不明です。直接お尋ねになって

はいかがでしょうか。

  2000/3/18  てしま


Subject: ユダヤ教について質問です

Date: Sun, 30 Jan 2000 20:15:37 +0900

島根のYK氏より

お忙しいところ、大変すみません。ユダヤ教について質問があります。お答えいただけると喜びます。 

キリスト教ではイエスがダビデの子孫であること、処女降誕したことを新約聖書の中で主張しています。これにより「イザヤ書 7章14節」「イザヤ書 11章1節」の預言が成就したことを証明するためです。

しかし僕は「ダビデの子孫」であることと「処女降誕」は両立しないよう に思います。なぜなら「ダビデの子孫」であれば親と血縁関係にあるということだから「処女降誕」ではないし、「処女降誕」であれば親と血縁関係がないから「ダビデの子孫」ではありえないからです。

もちろんユダヤ教徒の方はイエスがメシアだとはお認めにはなられないでしょうが、では、ユダヤ教徒の方々は「イザヤ書 7章14節」と「イザヤ書 11章1節」がどのように成就してメシアが誕生するとお考えなのでしょうか?

> よろしくお願いします。

    島根県 Y.K.

---------------------------------

Subject: Re: ユダヤ教について質問回答

Date: Sun, 06 Feb 2000 13:30:11 +0900

Y.K.様

ユダヤ教はキリスト教のように処女降誕といったことを信じていません。

「イザヤ書 7章14節」の「おとめ」を意味するアラマーは若い娘ということであって、処女とはかぎりません。強いていえば、乙女が生む最初の長男ということでしょう。これはアハズ王にたいする警告ですが、どのみちアハズが属するダビデ王家の血統からメシアが出現することには変わりありません。

ユダヤ人はいつの日か、ダビデの子孫からメシアが出現すると信じています。ダビデはご承知のとおりエッサイの息子です。そしてユダヤ人はなにも「イザヤ書 7章14節」「イザヤ書 11章1節」だけに拘束されてメシアが出現するものではないと考えています。他にもメシアについて示唆する発言が聖書にはたくさんあるからです。

むしろマラキ書4章にしるされているエリヤの再来のほうが、ユダヤ人にとってはメシア出現のためには、はるかに重要なことだと彼等は考えています。

      2000/2/6   てしま・ゆうろう


Subject: 初めまして手島先生。

Date: Tue, 11 Jan 2000 05:21:19 +0900

S.N guttyman氏より

 

YAHOO!で先生のHPを拝見して

はじめてメールします。

先日ニューヨークのジューイッシュミュージアムで変わったコマのような物を購入しました。

その後偶然知り合ったユダヤ人の方にそのコマの意味を聞いたのですが、いまいち理解できませんでした。コマの説明文にはこう書いています。

Pewter Dreidl adapted from an18th Century carved woodwn Dreidl

in the collection of The Jewish Museum

そしてユダヤ人の方からこの説明文に書かれている意味を聞いたのですが

ハニカ=「はにか」

ネスカ=「奇跡」

ハヤ=「起こる」

ション=「あそこで」というような説明を受けました。

コマは四角形でそれぞれの面に添付ファイルのような文字が書かれています。(ちょっと違うかも知れませんがたぶんこの文字であっていると思います)

 

また、帽子については神様が常に上におられていて神様に見られているので恥ずかしいから被っていると説明を受けましたが、それは本当なのでしょうか?

それから、ユダヤ人の方に聞き忘れましたが、あのもみあげや顎ヒゲを伸ばすのにはどういう意味があるのでしょうか?

 

たいへん長くなってしまいましたが、もしご存知でしたら教えていただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

               S.N 

------------------------------------------

Subject: 回答

Date: Sun, 23 Jan 2000 14:40:31 +0900

 

ご質問の件について

 

貴兄がお買いになったのは、ユダヤ人が12月に祝うハヌカまつりで余興に使う独楽(ドライデル)です。これはドイツ系ユダヤ人の間で古くから遊ばれていた伝統です。

独楽の4面にはヘブライ語の4文字 N・G・H・S が刻まれています。

それは N= ネス(奇蹟)が  G=ガドール(偉大な) 

    H= ハヤー(あった) S= シャム(そこで) という意味です。

ハヌカは、西暦前165年にユダヤ人たちがヘレニズム帝国セレウコス王朝の支配をはねのけ、ユダヤ人が独立をかちとった勝利記念の祭りです。

祭りのさいに、子供たちはちょっとしたものを賭けて、この独楽のどの面の文字が出るかによって、景品をわけるのです。

ハヌカについても、その他の貴兄の質問についても、

http://plaza20.mbn.or.jp/~gilboa88teshima/judaism.html をご参照ください。

         2000/1/23   てしま・ゆうろう


Subject: テレビ拝見しました

Date: Tue, 18 Jan 2000 22:58:10

From: Nagatura氏より

> 手島先生

ニュースステーション(2000/1/18、夜10時)拝見しました。

なるほどアレフとはそういう意味だったんですか。勉強になりました(何とも月並みな表現ですが)。

>

もう少し、宗教学者から見たオウム論を伺いたかったですが、現在のマスコミではそれは無理なんでしょうね。

最近のオウム報道というか、近隣住民の追い出し運動などを見ると、どうもあれは完全な村八分のようだし、ここに住むなら信仰(?)を捨てろというのは、明らかに憲法違反ですよね。

犯罪を犯しそうだから追い出す、というのでは、日本の人口はゼロになってしまいそうです。

結局、21世紀の世界は、オウム国とか仙人国、○○教○○派国とか、なにかそういう価値観で分かれた族が分立し、新たな国境をつくっていくのかなと思っています。

その中で各族が自立すれば問題ないわけだし、国境を越えてきた異族に対しては、行動を制限したり監視したりするのもかまわないでしょうから。

>

あ、久米さんは復帰していたんですね。最近、あまり新聞もテレビも見てなかったのでびっくりしました。


Subject: 拝復 Date: Wed, 19 Jan 2000 09:23:27

Nagatura 様

宗教弾圧の現状へのご批判、いちいちごもっともです。

権利だけを教えて、義務や共存について教えない社会はいずれ相互孤立社会を形成するのかもしれません。

久々に貴兄健在のご意見に接し、なつかしく存じました。 感謝をこめて 手島佑郎 再拝

 


Subject: 原罪について

Date: Sun, 14 Nov 1999 23:39:05 -0500

はじめまして、SKと申します。

毎回、メールマガジンを楽しみにしています。

突然の質問なのですが、ユダヤ教にはキリスト教で言う”原罪”と言う概念は有るのでしょうか?

私は、キリスト教徒なのですが、先日このことで友人と論議となってしまいました。  

ちなみに、キリスト教では、アダムの堕落により全ての人類は生まれながらに罪を持っている、という事なのですが、、、

よろしくお願いします。

-------------------

(回答)Date: Wed, 17 Nov 1999

拝復

ご質問の件ですが、ユダヤ教には「キリスト教でいう原罪」という概念はありません。

詳細については、拙著『ユダヤ人はなぜ優秀か』(サイマル出版会、1979年)

126〜153ページ「ユダヤ人にとっての善と悪」をご参照ください。

同書は絶版ですが、たいてい図書館に常備されています。  再拝

        1999/11/17  てしま・ゆうろう    


Subject: ユダヤ人の植樹祭(問い合わせ)

Date: Tue, 16 Nov 1999

手島祐郎様                               

 1999/11/16

先日松尾クラブの例会にて拝聴したご講演のなかでお聞きしたかった件です。

植樹祭(プーリッシュというように聞こえました)について詳細を知りたいと存

じます。文献など手がかりになるものをお教えください。私は林業関係者です。よろしく。

   (KF氏より)

-  -  -  -  -  -  -  -  - 

(回答)

Date: Wed, 17 Nov 1999

KF 様

お問い合わせの「ユダヤ人の植樹祭」は トゥ・ビシェバット (Tu biShevat)

といいます。ユダヤ暦シェバット月15日の意味です。紀元1世紀ごろからの伝

統です。The New Year of Trees ともいいます。この祭り自体にかんする文献は

The Encyclopaedia Judaica, vol.15, pp. 1419 - 20, "TU BI-SHEVAT"をご参照

ください。日本語での文献は散見したことがありません。

      1999/11/17     手島佑郎拝


Subject: 名古屋市民大学講座講演お礼

Date: Thu, 4 Nov 1999 23:33:52 +0900

本日機会を得て「ユダヤ人の経済思想とビジネスに学ぶ」と題され「手島佑郎」先生の講演を聞かせていただきました。とても解りやすく聞くことが出来感謝いたしております。

初めて先生の講演を聴き、先生の活動の深さを知り、ユダヤを語るにふさわしい方の講演と思いました、このチャンスを逃さなかった自分が本当にツイテいたと思っています。

後半になればなるほど、ヒシヒシとその熱意が伝わって来、本日は大変有意義な時間がすごすことが出来ました。

私の好きなサミュエル・ウルマンの詩「青春」の解釈は圧巻であり、目からウロコの思いで聞かせていただきました。

今後ともご活躍をお祈りいたしますと共に、時々ホームページを覗かせていただき、貴重な情報を取得したいと考えております。

本日は大変有り難う御座いました。

(名古屋、 K氏)

 


[ リンク依頼  1999/10/10 ]

 

> おたよりさせていただきます。

> 私は、マクドナルド社長の藤田田氏の著作を読み、 ユダヤ人の考えのほんの一部に触れました。

> Yahooでタルムードで検索して、先生のWeb Pageを知りました。

> タルムードについての先生の講義が私の心に非常に役立っています。

> 心が落ち着きます。

> 先生の本も3冊買い、少し読みました。

> 2−3ページ読んで、あ、これはいい本だと思いました。

> 私はhttp://www02.u-page.so-net.ne.jp/gb3/sullivan/ でWeb Pageを出しています。

>私のWeb Pageを先生のWeb Pageにlinkさせていただいてよろしいでしょうか。

- - - - - - - - - - - - - - - 

Subject: Re: Web Pageのlinkについて[Date: Tue, 12 Oct 1999 06:29:18 +0000]

From: "Jacob Y. Teshima"

Sullivan 様

貴台のホームページを拝見しました。

老人健康センターでの心あたたかい人間愛の記事に感動しました。

貴台が今後も記録を続け、充実したホームページに仕上げてゆかれることをお祈りします。

どうぞ小生のホームページにリンクなさってください。

貴台がご自愛ご自重なさり、いっそうご活躍されるよう祈念もうしあげます。

1999/10/12        手島佑郎拝

- - - - - - - - - - 

Subject: Re: Web Pageのlinkについて[Date: Wed, 13 Oct 1999 20:24:09 +0900]

お返事、励ましの言葉、Web Pageのlinkについての許可をありがとうございます。

さっそく先生のWeb Pageをlinkさせていただきます。

                 R・U氏

 

 


[Subject: ユダヤの陰謀について Date: Fri, 29 Jul 1999]

(質問1)

はじめまして。ユダヤの陰謀は本当のところどうなのでしょう?ヘッジフアンドや

アジア危機とかについての、経済の本を調べていくと、あるとしか思えないです。

7月22日号の「週間宝石」で、栗本慎一郎さんと永井美奈子さんの対談からも、

この盗聴法もユダヤの陰謀と関係おおありの用ですが。

------------------------------------------------------> >

(回答1)

N 様

陰謀論で責任転嫁するほど、日本の知識人は知性を放棄したのでしょうか。

栗本慎一郎氏の教養のレベルを疑いたいほどです。

寺島実郎著「国家の論理と企業の倫(中公新書、18ページ参照)をご覧に

なってみてください。

日本の政府も警察も外国の手足になるほど売国奴ではないはずです…。

                    てしま生

----------------------------------------------------

Date: Fri, 30 Jul 1999]

(質問2)

こんばんは。陰謀については、責任転換とは、いってないつもりです。大学の授業で

「ユダヤの国際的影響」を、国際政治学の授業で習い、私の調べたこと、それらから

ユダヤの陰謀とまではいきませんが、ユダヤの戦略を考えるのが妥当と感じています。

新約聖書のヨハネの黙示録13章の666については、どうお考えでしょうか?

商品に付いている、バーコードの両端と真ん中が6になり666であること、イン

ターネットでよく使うwwwのwはヘブライ文字では6で666になること、なによ

りcomputerがa=6,b=12,c=18として当てはめ足し算すると66

6になることは、どう考えられます?

また、1ドル紙幣とフランス人権宣言の原板に描かれているフリーメーソンのマーク

(「古代の密議」人文書院p。311ー312)はどう説明出来るのでしょうか?

わたしは、以前、大和銀行アメリカ追放を、「ニュースステーション」や「報道特集」

の映像で、ビルに大きく666と映っているのをみて、最近は陰謀かなと考えだしています。

日本を信じたい気持ちはおおいにありますが、私自身は、戦前、連合軍と訳していた

united nationsを国際連合と意図的に誤訳したこと、英語的にもinternationalをどこかで使うべきはずのものなので、UNは戦前の訳が

英語的にも正しいと思います。戦後の処理で、軍国主義とか物量とかに責任を押しつけて、

原因究明を濁らせたのが日本の国際政治の場面ではトラウマになっていると思います。

> >

------------------------------------------------------------

(回答2)

N 様

 

週刊宝石の記事を読んでいませんが、もし「栗本慎一郎さんと永井美奈子さんの

対談からも、この盗聴法もユダヤの陰謀と関係おおあり」だと読者が判断せざる

を得ないような発言を栗本氏がしているのであれば、盗聴法反対論の立場からでしょうが、

安易な「責任転換」だと、私は申し上げているつもりです。

 

貴兄が大学でどのような勉強をされたのか存じませんが、

ユダヤ人には「ユダヤの戦略」などというものは無いのです。

外部から見れば、赤字だ不景気だといいながら、それでもなお貿易黒字をためこむ日本人

こそもっとも不気味で陰謀的かつ戦略的にみえるでしょう。

 

貴兄が「ユダヤの戦略を考えるのが妥当と」されるのは貴兄の自由ですが、貴兄

は直接どれだけユダヤ人をご存じなのでしょうか。

ユダヤ陰謀論をくちにされる方々は、ユダヤ人とまったく没交渉か、それとも表

面的な接触しかしていない人々です。

36年間さまざまなユダヤ人と直接つきあってきた私の知り得るかぎりの範囲で

は、そういうものは無いと申し上げているまでです。

 

新約聖書のヨハネの黙示録13章の666は、キリスト教とを弾圧した「皇帝ネロ」を

ゲメトリアで表象したものです。The International Critical

Commentariy on The Revelation of St. John, vol. 1 / p.367を参照してください。

 

wwwはworld wide webの略のはずです。ヘブライ文字では6は「v」です。

wはラテン語にも存在しません。wは西暦11世紀になってノルマン人の間で

uuを表記するために発明され文字ですから、ヘブライ語とは関係ありません。

ましてやcomputing machineのcomputerとは無関係です。

 

ドル紙幣とフランス人権宣言の原板に描かれているフリーメーソンのマークがあ

るとのことですが、米国の独立戦争当時の指導者たちのおおくはフリーメーソンでし

た。だが、フリーメーソン=ユダヤと、ここでもまた短絡的な図式で考えるのは妥当

でありません。混同するのは、陰謀論が好きな人たちの常套手段です。

せめて、湯浅慎一著「フリーメイソンリー」(中公新書)、「ユダヤ人とフリーメーソン」

J・カッツ著(三交社)はぜひおよみください。

 

前の大和銀行ニューヨーク支店のビルに大きく666とあるのは、通りの番地です。

 

戦前の国際連盟は「League of Nations」です。

 

事実を確認しないで、憶測の上に憶測の推理を乗せることほど、恐ろしいことは

ありません。

疑問に思うことがあったら、通俗的解説書ではなく、きちんとした学術書なり、

史実をしるした資料で疑問を解明すべきです。

 

かりユダヤに限らず、どこかの民族に陰謀や戦略があるとしても、その陰謀なり

戦略なりを切り崩すことができるのは、事実の積み上げだけです。

 

これにて貴兄への回答は終了します。お読みになれがわずか1〜2分でしょう

が、以上をしるすために、資料などを再度照合し、2時間費やしました。

これ以上貴兄に時間をさくことはできません。あしからず。   手島

 


[ 99/7/16 ]

アマゾンで、拙著「Zen Buddhism and Hasidism : A Comparative Study」に関する読者からの書評を見つけました。セールス順位第894,061位ですから、売れていない部類の代表のようです。

でも読者からの評点は5/5でした。著者としては、少し嬉しいところです。

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Zen Buddhism and Hasidism : A Comparative Study

by Jacob Yuroh Teshima

Paperback (August 1995) University Press of America; ISBN: 0761800042

 

Amazon.com Sales Rank: 894,061

Avg. Customer Review: [5 out of 5 stars] 

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Customer Comments

A reader from New York , July 8, 1999

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An Expert Study!

A fascinating book from a wonderful and fascinating man.

Jacob Teshima is a Japanese Christian born in Korea, who became

a star disciple of the late and great Abraham Joshua Heschel.

His grasp of Hasidism is phenomenal and he effectively proves that

despite external similarities, there are great differences in depth

between Hassidism and Zen Buddhism.

He has the rare advantage of approaching Hasidism by learning the

original texts rather then second hand sources.

  It is no wonder that the influence of Dr. Heschel is felt throughout

this book.

An invaluable guide to serious scholars.

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Subject: 3つの質問

Date: Tue, 13 Apr 1999

From: y. doi

私、大阪にすむ土居と申します。

貴殿の本、確か『ユダヤ人はなぜ優秀か』をかなり以前に購入し時々読んでいます。

1、その中で確か、ユダヤ人の考え方として、結婚はするべきだとか、不倫はしない、

いけない、とか書かれていたと思うのですが、なぜですか? 人間として結婚するの

は普通ではありますが、結婚をして人間になれる、様なニュアンスが含まれていたよ

うに感じたのですが、その辺いかがでしょうか?

2、あと、ユダヤネットワークの入り口の『日本イスラエル商工会議所』に何もあり

ませんが、、、、。

3、最後に日本にも神戸(神戸の土地はユダヤ人の所有が多い、と神戸の知人から聞

きましたが。)や横浜等にユダヤ人がいると聞きましたが、日本にもけっこういます

か? また、ユダヤ系日本人はいますか? ユダヤに精通している方や、ユダヤ人と

知り合いになってその考え方や生き方などを吸収したいのですが。

 

PS、貴殿の本を読んで尊敬していましたので、その方に直接こうしてメールできるの

は幸いです。昨日はじめて貴殿のHPを拝見しました。

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土居ヨシヒロ 様

1):ご質問の件「ユダヤ教では、結婚をしてはじめて一人前の人間になれると

いう考え方がある」とのことに関して、なぜかということについて:

 

これは多分、神が天地創造のさいに生物に対して「生めよ、増えよ、地に満てよ」と

祝福のことばを贈ったことに起因するのでしょう。生物一般にかぎらず、人間も

その祝福の対象なのです。そのさい人間に「結婚」というけじめを神が求めたという

のは、各々の種族・民族・氏族・家族を大切にせよとの配慮であったのでしょう。

そのさい、家族というのは、契約と合意によって成立した生活単位という意味で

す。契約(約束)があるから、秩序を守ることができる。そこに結婚の意義がありま

す。現在ほとんどのユダヤ人は一夫一婦です。だが、ユダヤ教の律法は一夫多妻精度

を否定していません。ユダヤ教の枠内では法的には一夫多妻は可能です。しかし、

その場合でも、結婚という「正式の手続き」を必要とします。不倫は正式な結婚

手続きを経ないものですから、これはユダヤの律法では認められていません。

 

3):「神戸(神戸の土地はユダヤ人の所有が多い、と神戸の知人から聞きまし

たが。日本にもけっこういますか? また、ユダヤ系日本人はいますか? 

ユダヤに精通している方や、ユダヤ人と知り合いになってその考え方や生き方な

どを吸収したいのですが」の件

 日本には、現在約1000人前後のユダヤ人が住んでいます。ほとんどの方が

在日ガイコクジンとして住んでいます。日系ユダヤ人というのは、基本的にはい

ないはずです。東京に約400人、関西に約300人、その他全国各地に約300人

のユダヤ人が滞在していると言われています。

神戸にはユダヤ人の教会もありますが、いきなり其処に行っても、たぶん相手に

してもらえないでしょう。

それよりも「日本・ユダヤ文化研究会」神戸連絡所(078-222-2397)という

真面目な勉強会がありますから、そちらに参加されるとよろしいでしょう。

          1999/4/13      てしま生

 

 

 


Subject: ご挨拶:トーラ、ヘシェルについて教えて下さい

Date: Sat, 10 Apr 1999

 

拝啓 手嶋様

初めてメール致します。

インターネットでみて、興味があり失礼かとは思いましたが、メールを送らさせて頂きました。

  私は、金澤と申します。

1986年 上智大学を卒業し、●●●に勤務する36才のサラリーマンです。

 カトリックの信者です。

興味があったのは、大学の卒論でマルティン・ブーバーを取り上げたから

です。ブーバーの後継者としてA・J・ヘシェルが指名されたことを知っ

ていますが、日本における知名度は低く、訳書も殆どない状況で、ヘシェ

ルに指導して頂いた方がいたので是非何か機会があればと思いました。

ヘシェルの本は、「人間とは誰か」「人間を探し求める神」を読みました。

現在は、「人は独りではない」を取り寄せています。

また、学生時代にモーゼス・マイモニデスの「困惑者の手引き」の英語版を

少し読みました。この本では、ヘシェルが前書きをしていました。

 

もし、できましたら会合の日程を教えて頂けないでしょうか。

仕事が忙しく参加出来ないかもしれないのですが、案内だけでも送って頂ければ

ありがたいのですが。                    敬具

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

金澤様

拝復  学生時代にブーバーを読まれた由、同慶に存じます。

さて恩師ヘシェルについてもご興味がおありとのこと、

ヘシェルの著作は大部分が英語ですので、ぜひぜひ英語でお読みに

なられるようおすすめします。英語の文章の美しさ、詩人でもあった

ヘシェルの世界は、現行の日本語訳ではとうてい味わうことができません。

インターネットのアマゾン(http://www.amazon.com/)で注文すれば

すぐに入手できます。

(なおヘシェルと発音するのが正しく、どなたかのようにヘッシェルと

発音するのは適切でありません。)

ヘシェルの思想について取り上げる勉強会はいまのところ致していません。

だが、ご興味があるのでしたら、いちど虎ノ門の勉強会においでください。

直近の予定はつぎの通りです。毎回あとで皆と食事し歓談しています。

ご活躍をおいのりしています。             再拝

      てしま・ゆうろう

 


Subject: ユダヤ人の文学

Date: Wed, 13 Jan 1999

T.Takagi wrote:

>

> 先生、始めまして。

> カフカ・トーマスマン等の愛読者です。

> 神戸文学賞をもらっています。小説の作家でもあります。

> 仕事は、保険を含めたリスクファイナンスです。

> 日本リスクマネジメント学会の評議員もしています。

> 翻訳もしています。

>

> ホームページを、先入観なしで読ませていただいております。

> ユダヤ世界に付きましては、本だけ沢山持っています。

> 一度、お話を聞かせて下さい。

> よろしくお願いします。

---------------------------------------

Subject: Re: 拝復 ユダヤ人の文学 への回答

From: "Jacob Y. Teshima"

 

高木様:

お便り有難うございます。

文字どおり多方面でご活躍の様子、大慶に存じます。

 

当方は毎月第2月曜日に大阪にいます。

午後1時半から北新地のクラブ山名での勉強会、午後5時半からは

堂島グランドビル1F第1会議室での道塾の勉強会で講義しています。

ご都合がよろしければ2月8日の昼、まずクラブ山名での北新地の会に

ご参加ください。(但し、会費3000円です)。

参加してみて、貴兄の興味があれば、その日午後5時半からの道塾にも

ご参加ください。そうすれば、会の終了後、他のメンバーと一緒に食事を

するなど多少とも貴兄と話せるでしょう。(クラブ山名での会は3時過ぎに

終わりますが、その後は夕方の会の準備のために小生はいったんホテルに

帰ってしまいます)

翌日はいつも早朝に大阪を発って自宅へ帰ります。

道塾がどんな勉強をしているかは、ホームページでご参照ください。

てしま・ゆうろう

 


Subject: 突然で恐縮ですが、質問があります。

Date: Sat, 9 Jan 1999

 はじめまして。●●と申します。ユダヤ人について調べていたところ、

こちらのサイトを見つけました。

 実は、4月から就職することになっている会社の内定式で社長が、

「世界の報道機関はユダヤ人が支配している。日本の新聞などもユ

ダヤ人が仕切っているから、彼らにとって都合が悪いことは報道し

ないばかりではなく、事実を歪曲している」と言っていました。

 これは本当なのでしょうか。

 社長は知人や本などからこの情報を得たと言っていましたが、

やはり信じ難いことです。もしご意見を聞かせ願えれば光栄です。

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Subject: Re: 質問への回答

Date: Sat, 09 Jan 1999 12:08:16 +0200

From: "Jacob Y. Teshima"

ご質問の件についてお答えします。

 

「世界の報道機関はユダヤ人が支配していると言いました。当然、

日本の新聞などもユダヤ人が仕切っているから、彼らにとって都

合が悪いことは報道しないばかりではなく、事実を歪曲している」

との由ですが、こういう発言自体が事実の歪曲です。

 

 たしかに新聞や報道機関に世界でユダヤ人が大勢活躍している

ことは事実です。世界の3大通信社といわれるもののうち、AP

とロイターは創始者がユダヤ人でした。ニューヨークタイムズの

社主もユダヤ人です。米国の3大テレビも創始者はユダヤ人です。

ジャーナリズムの世界を大きく育ててくるにあたってユダヤ人が

貢献したとは間違いありません。

 だからといって、「世界の報道機関を彼等が支配している」と

いうのは、事実の拡大曲解でしょう。

「日本の新聞をユダヤ人が仕切っている」というに至っては、事

実無根もはなはだしいと申すべきです。

 

 残念なことに、日本には「ユダヤ陰謀論」というものを熱烈に

信奉し、すべて日本に都合が悪いことはユダヤ人の陰謀によるも

のとか、陰でかれらが仕切っているからだとかいう風説をまこと

しやかに流布する人々が絶えません。

 貴兄の就職先の社長は、おそらくユダヤ陰謀論愛好主義者の著

作を読んだ結果、そのような発言をされたのでしょう。

 

 もっとも、日本の新聞社も放送局など、日本のマスコミは総じ

て自分たち報道関係者に都合が悪いことはなかなか報道しません。

それは日本の役所が、自分たちに都合が悪い事を隠蔽するのと、

同じ不正直さであって、とりたててマスコミだけの問題だとは思

えません。

 もし更にご質問があれば、拙著『ユダヤ人のビジネス哲学』

(ダイヤモンド社発行)をお読みになってみてください。

 社会にはいろいろな人がいるものです。それぞれ自分の知見の

なかで生き、活躍しています。その社長さんも、それなりに一生

懸命いろいろな知識を吸収しようとされているのでしょう。

 それはそれとして、貴兄ご自身が幅広くもっといろいろな知識

ならびに学識を深め、堅実な見識を培って、社会人として大いに

活躍されることをお祈りします。

                 1999/1/10  てしま

--------------------

Subject: 返答有難う御座いました。

Date: Sun, 10 Jan 1999

私事の質問に親切にお答え頂き誠に有難う御座いました。

回答を頂いて今まで引っかかっていたものがとれました。

この一件は、誰でも正否に関わらず情報を発信できる

現代社会において、常に我々はその情報を見極める知識、見識が

必要であることを感じさせました。

最後になりますが、貴研究所の更なるご活躍をお祈り申し上げます。

 


Subject: こんにちは

Date: Wed, 30 Dec 98

はじめまして。

和田ともうします。

 

第2次世界大戦中に、虐殺をうけたユダヤ人のことで、

ちょっとお尋ねしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?

もし、できましたら、教えて下さい。

 

1、ユダヤ人はキリスト教にはいることはできましたか?

2、キリスト教にはいった人は、ナチスにつかまってしまいまいしたか?

3、収容所のなかでは、男の人と、女の人は、別々のところでくらしていましたか?

4、収容所のなかでは女の人たちのほうに、男の指揮官はいましたか?

5、収容所のなかではユダヤ人は普段は何をして生活していたのですか?

6、収容所のなかでは食事はどんなものをたべていたのですか?

7、収容所のなかで、公開で射殺なんて、ありましたか?

 

できましたらおしえてください。

ではしつれいいたします。

------------------

Subject: Re: 回答

Date: Thu, 31 Dec 1998 09:11:13 +0200

From: "Jacob Y. Teshima" <gilboa@ea.mbn.or.jp>

 

> 和田様

ご質問の件で、小生がわかる範囲のことをお答えします。  てしま生

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> 1、ユダヤ人はキリスト教にはいることはできましたか?

答え: できます。じっさいキリスト教に改宗したユダヤ人は今日でも絶えません。

> 2、キリスト教にはいった人は、ナチスにつかまってしまいまいしたか?

答え:  血液の8分の1、つまり曽祖父母までユダヤ人であったことが確認できた人々は、たとえキリスト教に改宗していても摘発の対象にされていました。

> 3、収容所のなかでは、男の人と、女の人は、別々のところでくらしていましたか?

答え:  男女別棟でした。

> 4、収容所のなかでは女の人たちのほうに、男の指揮官はいましたか?

答え: 女子棟もドイツ人の指揮官は男でした。

> 5、収容所のなかではユダヤ人は普段は何をして生活していたのですか?

 答え: さまざまの強制労働に従事していました。

> 6、収容所のなかでは食事はどんなものをたべていたのですか?

 答え: 薄い野菜スープとわずかなパンであったと聞いています。

> 7、収容所のなかで、公開で射殺なんて、ありましたか?

 答え: 反抗的なユダヤ人はしばしば皆の面前で射殺されました。

--------------------------

 和田様、 答えは以上ですが、これらのことをお知りになりたかったのは

何のためですか。ぜひ教えてください。    てしま

 


To the front page.]